0333この名無しがすごい!
2018/05/12(土) 20:35:26.95ID:eHeknGdlえっと、こうですかね?
使用お題:『そんな馬鹿な!』『裸』『プール』
【水面の月】(1/2)
月が綺麗だ……僕はそう思った。
けど、欠けることない真円は、 美しさに比例して侵しがたい神秘性をも湛える。
「何ボケッとしてるのさ、早く来なよ!」
月を眺めていた僕に、彼女が金網の上からこ声をかける。
「え、うん」
ハッとして、僕は差し出された彼女の手を取った。
******
コツンコツンと窓ガラスに何かが当たる音がする。
―AM1:27−
「……」
眠い目を擦りながら僕はカーテンを開く。窓の下には予想通りの光景。
小石を手に、振りかぶった彼女の姿。
僕の姿を窓越しに認めた彼女は、極上の……悪魔の……笑みを浮かべた。
「プールに行くよ!」
「は?」
すでに決定事項なのだろう。言い切る彼女に僕が眉根を寄せる。当たり前だ、こんな夜中に何を言っているんだろうか?
「ほら、行くよ?」
「……」
溜息交じりに、僕は重い腰を上げた。