0404この名無しがすごい!
2018/05/20(日) 01:31:54.51ID:U62M5XgX使用お題:『対決』『五月病』『サブミッション』
【お題でオチバレしているよね】
自らロープへ走り、その反動を利用し上へと飛ぶ。反転をしながら体全体をぶつける様に両腕を広げるが、相手の姿はそこには無かった。
「っ! ……」
マットに叩き付けられるが、そこはとっさに受け身を取って最小限のダメージに収める。むしろ、そこからが問題だった。
「チェア!!」
問答無用のストンピング。
回転しながら、避ける、避ける、避ける!
ロープに手が届く距離、リングから落ちる寸前。俺は十字に腕を組み、ストンピングの足を受け止めると、足を振り、逆に相手の軸足に絡みつかせ、勢い任せに払い崩す。
「グアッ!」
背中からマットに叩き付けられたヤツは、それでも頭部だけはきっちり守っていた。
俺は半身を起こし、向こうの反撃の準備が整わない内に飛び掛る。
自らの頭を守っていた為に無防備に晒されている腕を取るとそれを引き寄せ、代わりに向こうの胸部に片足を乗せる。
ヤツは腕を取られまいと自らの手をクラッチし、対抗するが、俺はその隙にもう一方の足を相手の顔の上に引っ掛ける様に乗せ、両手でヤツの腕を引っ張る。
ここからは純粋な体力勝負だ、ヤツのクラッチを外し腕を取れればオレの勝ち。
だが、凌ぎきられ、逃げられれば勝敗は分からなくなる。
いや、今こうしている時間すらもヤツの味方だ。俺の方にはあまり時間がないのだから。
それ故にここで一気に決めなければならない。
「くっそう!! 負けるかよぉ!!」
俺は更に気力を注ぎ込む。負けられない! 絶対に!!
「!!」
「これで、決まりだあああぁぁぁ!!!!!」
決着がついた瞬間、俺はすかさず飛び上がる。
マットレスから飛び降りると、寝間着を放り投げる様に脱いだ。
「くそ!! ギリギリだ!! 髭剃りは途中のトイレで良いか、寝ぐせも……朝食はコンビニで……うわ! 出ないと間に合わねぇ!!」
シャツとスラックスを急いで着込むとジャケットを引っ掛ける。ネクタイと鞄を取っ掴んだ俺は、大慌てで家を出た。
〇俺 VS ×五月病 1時間15分47秒 決め技:腕ひしぎ十字固め