>>489
使用お題:『ガーターベルト』『メイド』『誰かが雄叫びをあげる』

【思春期地球防衛機デッカイザー】(1/3)


「グッガアアァァッ!!」

 改造巨獣の攻撃を受けて、白銀の巨体がよろめく。
 パイロットの道明寺 クライはフットペダルを操作し、何とか転倒するのを防いだ。

『何やってんの!? クライ! 動きが鈍いわよ!!』
「わぁってるよ!! そんな事!!」

 姉でありオペレーターの道明寺 クウの言葉に、クライが噛みつく。
 動きが鈍い、そんな事は白銀の巨人、デッカイザーのパイロットたるクライが一番分かって居る。

 だが……
 チラッ。

「!! ……グウッ!」

 避けるつもりだった攻撃を喰らってしまい、その忌々しさに舌打ちをしたくなった。
 恐るべき心理攻撃だった。精神の一瞬の隙を突き、本能に直撃する。
 だが、その一瞬の隙はこの戦いの中では致命的な隙であった。デッカイザーの耐久力が無くては、ここまで耐える事は出来なかっただろう。

「負けて、たまるかよおおぉぉぉ!!」

 最初はただ、カッコイイから……そんな単純な理由でデッカイザーに乗っていた。だが今は、自分の両肩に人類の未来が掛かっている事を十分に理解していた。