使い勝手良さそうなお題なのに、実際使ってみると全消化ムズいな……

使用したお題:『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』

【Revolution ZOO】(1/2)

「貴様! 言え、言うんだ!!」
「やめろ、ライオン! いきなりどうした、そんな大声をあげて?」
「こいつが、きっとこいつが何かしたに違いないんだ。そうじゃなきゃ急にこいつが人間に人気になるわけがない! 今まで見向きもされていなかったくせに!!」
「や、やめてくれ。オレは何も……」
「ウソをつくな! お前最近妙にわーきゃー言われてるのは間違いないんだ! 何をしたのか言え、言ってくれ! そしてどうやったら人気が出るのか教えてくれ! サーバルキャット!」
「待ちなさい、ライオン。本当に知らないのかもしれない。急にある種の動物が人気になることはよくあることだろう? パンダを見ろ。あいつらなんで人気なのかオレには全く分からないぞ?」
「うぐぐ、だがそういうがウォンバットよ。ことは深刻なのは承知しておろう? このまま特定の動物ばかり人気が偏ってしまうと……」
「確かにな。ここは動物園、人気の無くなった動物は隅に追いやられ、悲惨な目にあう。交尾相手を用意されず、餌も最低限となり、汚れた部屋で飼い殺されるんだ。
最悪、どこかの土地に引っ越しさせられることもあるからな」
「そうだ、だから一部だけこう人気を集める状況はどうにかせねばならん。人気になったのならその方法を共有して、お互いで譲り合わねば……」
「人気格差問題は厳然としてあるからな、認めたくはないが。ライオンやゾウ、キリンのように定番人気な動物はいいのだが、タイミングの問題か、なぜか極端に注目を集める動物が一部出てくるのは困るからな。
動物間のパワーバランスが崩れる」
「だが長年の研究によりある程度方法は解明しているんだろう? 確かメガネザルが言っていた気がするが……」
「ああ、コツメカワウソの件だな。あいつは動物園以外でカフェを経営し、その身近さで触れあいを行い、愛嬌をふりまいているらしい。それが人気のきっかけになったそうだ」
「そうか、愛嬌をふりまくのか……こ、こんな感じか?」
「ライオンよ、そんな風にお主がゴロニャーンとやっても怖いだけだ。いや、遠くから見たら可愛いかもしれないが、近付きたいとは思わないだろう。なにせ図体がでかいからな……」
「う、た、確かに、私がシベリアキャットのように可愛く振る舞うより、威厳ある風体で堂々としていた方が人気がある気がするな。昼間は寝っ転がってしまうのが悪いのか……。
何かサービスした方がいいのだろうか、背中に乗せて歩き回るとか」
「そんな安い遊園地の乗り物じゃあるまいに。効果は薄いだろう。だが何かサービスをするというのは良い案かもしれない。何か案はないか?」