ポア(Phowa、チベット語: འཕོ་བ་ pho ba)とは日本のカルト宗教であったオウム真理教における教義のひとつである。殺人を正当化する為に使用したものとされる。
本来のチベットにおけるポワとは、死に瀕した者の耳元で経文を唱えてあげるなどして、死後に迷う事なく良い来世(人界、天界)に向かわせる為の特殊な作法の事を言う。

概要

例えば、Aさんという人がいて、Aさんは生まれて功徳を積んでいたが慢が生じてきて、この後悪業を積み、寿命尽きるころには地獄に堕ちるほどの悪業を積んで死んでしまうだろうという条件があったとしましょう。
このAさんを、成就者が殺したら、Aさんは天界へ生まれ変わる。(略)すべてを知っていて、生かしておくと悪業を積み、地獄へ堕ちてしまう。ここで、例えば生命を絶たせた方がいいんだと考え、ポアさせた。
この人はいったい何のカルマを積んだことになりますか、殺生ですか、それとも高い世界へ生まれ変わらせるための善行を積んだことになりますか。
人間的な客観的な見方をするならば、これは殺生です。しかし、ヴァジラヤーナの考え方が背景にあるならば、これは立派なポアです。

そして、智慧ある人─ここで大切なのは智慧なんだよ。─智慧ある人がこの現象を見るならば、この殺された人、殺した人、共に利益を得たと見ます。
ところが、智慧のない人、凡夫の状態でこれを見たならば『あの人は殺人者』と見ます。

— 麻原彰晃(1989年9月24日・世田谷道場)[1]