もうひとつ、登場人物への感情移入と
関連して全体の構成の話をします

本作の人物に感情移入しにくいのは
ループ物の構造的な問題が関係していそうです

ループの二週目以降から始めたような設定ということですが
内輪だけで話が進んで、読者の置いてきぼり感が強くなります

たとえばヒロインのかぐやと妹のことにはお互い踏み込まないとか
なんか話が始まる前に解決した感じ(実際そう)で盛り上がらない

>前半が理解し辛いものと思ってました
正確に言うと「理解できないまま、後半に進んだ」でしょうか

>学園と妹には関係はまったくありません
これもとっつきにくい、置いてきぼり感が出る原因です
話が解決しないまま先へ進んでいく印象を醸し出してしまう


>>565
上で言ったように、そもそもループしない構成もアリだと思うけど
どうしてもループする設定がやりたいなら
『未来日記』もそうでしたが
少なくとも序盤ではループしてないのと
ほぼ共通ルートみたいな感じにするのがいいです

どうするかといえば、たとえばひとつの手法としては
主人公が記憶喪失している設定で
記憶を取り戻しながら話を進めていく手はあります


冒頭では妹がさらわれた「ということにしておいて」
主人公が学園に助けに行く

しかし中盤に入ると、自分が妹を殺した(かも)という
記憶がじょじょに蘇ってくる

終盤にじつはループの2週目以降ということが判明して
妹はさらわれてもないが死んでもなくて
対決したりとかして、最終的には救うみたいな展開

こうしたら、もっと感情移入しやすくなるでしょう
というのも謎が解ける各段階で、ヒロインの反応を引き出しやすいから

さらわれた(ブラフ)というときは「いっしょに助けましょう」
自分が殺した(かも)というときは「私はあなたを信じています」
ループが判明したときは「私はあなたの運命と共に戦います」とか?

もちろんあくまで一例だけど、これならキャラを立たせやすいし
ドラマ性もグッと出しやすくなると思うんですよ?


背景設定があるのは分かるし、作者はみんな自分の設定が好きですが
新人賞は同じ規定で競争するので「いっぱい隠れた背景設定があって〜」
といっても通用せず、過不足なく上手く書いた人が勝ち上がっていきます

もちろん別に新人賞が絶対ではなく、設定が膨大なら
Web小説で長編を書いて、書籍化を目指しても別にいいわけです
でもそこで人気を得たいなら、どのみち読者視点は必要になってきます