>>956

中盤以降のあらすじも含め、拝読しました。

これは女性向けライトノベルですよね? 私は普段男性向けライトノベルを読むので、少し意見がズレている可能性があります。
そこのところだけご容赦を。

では、率直な感想を、ということなので率直な感想を。

少女漫画によくある『ドラッグ&セックス&暴力』の世界観と非日常系異能バトルを掛け合わせる、といった試みと受け取りました。
冒頭のカラオケシーンはありがちな出会いを否定するメタですね。掴みは悪くないと思います。
『くだらない』『しょうもない』そんな空気の漂う学校。そして自分を縛ってくる家族。
そこで生きる息苦しさから反発するように堕落した生活を送るヒナタ。
厭世的で無気力なキャラで、自身もB級パニック映画のセックス中に死ぬパリピ程度だと認識している様はいっそ清々しい。
ただ、少し内面が大人びているのは逆に感情移入を妨げる要因になっていると感じました。
ぶっちゃけて言えば、
『クソ生意気なガキのくせに偉そうにペラペラ地の文で世の中分かったようなことを垂れながす』
という印象になってしまっています。行動と思考が伴っていない、とも取れるかと思います。
ここまで世間に対する確固たる自身の見解があるのならば、もう少し大人じみた行動(見かけ上は良い子ぶる等)をとっても良いかと。
恐らくあえて生意気な女子高生といった印象にしようという意図も感じ取れますが、
『他人を見下し、世間を見下し、両親すらも鬱陶しがる。じゃあ一体お前は何様なんだ?』
という指摘を面と向かってしてくれるキャラが少なくとも序盤にいないので、ヒナタの暴走(ともとれます)に歯止めが効いていません。
(父親は割とまともなことを言いますが、ヒナタが納得していないように身内からの指摘はバイアスがかかってしまいます)

ただ、この『世間の良い子を押し付ける道徳観』『友達ではあるけど価値観の深くまで共有できないクラスメイト』『なぜそこまで自分に構ってくるのか』といった類の息苦しさを表現できているのはとても良いと思います。

正直主人公ヒナタに対する好感度はかなり低いです。はやく痛い目に遭ってくれ。
(さながらスリラー映画に出てくるパリピの死を願うように)
これが狙い通りならば、ある意味成功していますね。

また、恐らく推敲前? の段階で構成が練り切れてないからだとは思いますが、少し物語のメインに到達するまでが長く感じました。
あらすじから察するに、オープニング→学校→家→繁華街→マンション(濡れ場)→事件発生!
だとは思いますが、この文量であれば家や繁華街の時点で事件が起きないとダレてしまいます。

あと、少し気付いた点を。言われなくてもわかってるよ! という場合は流してください。
・チョコレートが麻薬〜のくだり
→チョコは実際に大麻の隠語です。アングラ系に知識がある主人公の体でいくのなら、大麻関連の描写があると面白いかも。
・会話に出てくる(スマホ画面を見せてくる)等のかっこで表す動作の描写
→これは地の文か、もしくは普通に「このスマホの画面見てくれよ」等会話で描写したほうが良いと思います。無くはない描写だと思いますが、この文体では違和感があります。
・ルビ漏れ
→たぶん忘れてるだけだと思いますが、明比のルビをください。あけひ? でしょうか。

扱うテーマが重く、特に一人称ではバランスが難しいと思いますが、精神が病まないよう気を付けながら執筆してください。