そんな物凄く基本的なことを踏まえた上で、異世界系のイラつき要素へと話を戻す

通貨とは、各自の労働成果を数値として記録したものである
記録する媒体として紙幣では他国に流通させにくいから金貨、銀貨を使っているが
大元の役割はそこだ

それなのに、なろう主人公がチート能力で大量の通貨を入手して使用するとどうなるか?

労働成果を数値化したものが本来の通貨なのに
一切働いてない、世界に、国に貢献していないヤツが大量の通貨をチートで入手して
それを周囲に行使するというのはどういうことか?

実はコレ、金貨や銀貨を支払っていても実態としては無銭飲食と全く同じ
それどころかもっと酷いことになりかねない

労働成果という裏打ちの無い通貨が大量に流通すると、貨幣価値が下がるのだ
使用金額が増えるほど影響は顕著となり、徐々にインフレとなっていき
世界の人々がこれまで積み重ねてきた過去の労働に対する評価額が激落する

『貨幣を生み出すチート』がたまに登場するものの
その作者はこのあたりの事情を理解しているのかどうか、非常に怪しい