>>160
これで許せ

 女は立ち尽くす。信じられない光景に、目を見開いている。戦慄く唇、その僅かに開かれた間から震えるような声が漏れる。
「どうして先生を殺したの?」
 問われた男は、女に背を向けたまま沈黙している。
「ねえ、答えて!」
「……君がそれを聞くのか」
「それは……どういう意味?」
「本当に分からないのか?」
 男の口角が上がる。歪んだ笑みを浮かべながら、女の方を振り向いた。男の視線はまず女の顔に、次いでぐっと下へと、女のたわわな胸部まで下がって固定された。
「それだ。それが悪いんだ……」
「えっ?」
「それが俺とワイ師匠を、二人の男を狂わせた! 俺もワイ師匠もそれを欲してしまい、そして争うことになったんだ! そう、おっぱいに勝てる男なんていない!」
 男、勅使河原作者は慟哭の叫びを上げた。女、無自由は白い目を勅使河原作者へと向ける。
 そして、どこからともなく現れた文学少女が、スコップで勅使河原作者の後頭部を殴打した。
 文学少女はそのままスコップを地に突き立て、見る見る内に大の男二人が収まる穴を掘り終える。男二人を穴の中に放り込むと、土をかぶせていった。
 そうして最後に看板を立てる。そこにはこう記されていた。――色情魔二人、91スレと共にここに埋まる、と。