上から目線でそう言った美世だが、このまま強行されて可愛くないパンツがバレはしないかとドキドキしていた。
 落ち着きを取り戻した山田はくるりと体を捻って向こうを向きながらベッドに座った。美世も起き上がって山田に並んで座り、横顔を見ると、どうやら自己嫌悪に陥っているようだ。
「僕にはそんな権利ないのに、美世さんにふさわしい男になるって決めたのに」
 ガックリと肩を落とす山田にふと視線を落とすと未だ山田の股間は隆々と立っている。いったんは許そうとしたのに自分の都合で行き場を失ったそれに少し罪悪感が芽生えた。美世は山田の股間に手をかけると言った。
「辛いやろ? 出すだけやったらええで」
 驚いた山田が美世を見た。美世は山田の目を見つめながらジッパーを探り当て。ゆっくりと下ろした。下着ごと隆起してきたそれを手で包み込んで優しく撫でると、山田がビクビクと体を痙攣させた。
 トランクスのボタンを探り当てて半分捻ると弾けるように物が飛び出した。山田は苦しそうに目を固く瞑った。その反応を確かめるように見つめながらゆっくりと撫でる。
 そして視線を残すように。顔を移動させると。マイクのように握ったそれをペロリと舐めた。山田がうっと声を漏らす。裏の筋に舌を軽く付け、先端に向かって舐め上げると、丁寧に溝をなめ回した。
 頭を唇全体で包んで軽く吸い上げながらちゅぽんと音を立てると山田の首が反り返る。そして先端にキスをするようにして、ゆっくりと押し付ける。これ以上硬くはなれない状況の物に真っ赤な唇が割られる。
 太い血管が木の根のように走るゴツゴツとした表面に合わせて、美世の唇が追従して変形しつつ、ヌルヌルと口内に呑み込まれて行く。そして物が喉に到達した瞬間、山田の体が痙攣した。
「美世さん!」
 必死の山田は思わず美世の頭を押さえた。美世の口にドクドクと躍動が伝わってくる。意表をつかれた美世だったが、慌てて噴射されたものを呑もうとした。しかし
思ったより大量の精液が何度もポンプアップされるように溢れて来て嗚咽した。我に返った山田が手をどける。
「かはっ」と口を離した美世の顔に、なおも液体が飛び散る。
 苦しさのあまり半開きの目をした美世の顔に精液が飛び散る。同じように半開きの口からも大量の精液が溢れだした。
「す、すいま……」
 そう言いかけて山田は息を飲んだ。焦点の合わない目でトロンとしている美世はスラッと伸びた人差し指と中指で口元を拭って口の中に差し入れた。
 ちゅっと音を立てて指を抜くと恍惚として言った。
「すっきりしたか?」
「あ……あ……」
 山田は初めて見る美世の女の表情に言葉を無くした。そしてやっとの事で言葉を絞り出す。
「よ、汚してすいません」
 顔を汚してしまったという意味で言っているのだが、それ以外にもなにか重要なものを汚したような罪悪感と背徳感を感じながらも妙な興奮を覚えた。萎えかけていた物が再びそそりたつ。美世が妖艶に笑う。
「あれまあ、やんちゃな子ぉやな」
 そういうと美世は再び股間に顔を埋める。先ほどよりもぬるぬるとした口内に山田は顔を歪めた。
「ううっ、美世さん、美世さん」
 美世は夢中になったようにしゃぶりつき、徐々に速度を早めながら山田を見上げた。そして半分はその気になっていた腰を切なげにくねらせる。それを見た山田はまた1分と持たず痙攣した。
 美世が一気に喉の奥まで咥え込み射出されたものをごくごくと飲み干す。山田は白目になって後ろにた折れ込んだ。
 美世が身を起こし山田の両側に手をついて妖艶に笑う。
「どう? 気持ちええ?」
 虚ろに天井を見ていた山田が力なく答える。
「は……はい、人生で一番よかったです」

 美世は山田に見送られて駐車場を出たあと、人目につかない路地に車を止めた。キョロキョロと回りを見回した後、椅子を倒してズボンのボタンを外し、腰を浮かせながら脱いで股間を触った。
 軽く漏らしたように濡れている。こうなっているのではないかとは思ったが、しかし山田に勘ぐられるのが嫌でトイレに行きたいとは言えなかった。洗面所で顔を洗い
すっぴんの顔を背けながらそそくさとでてきた。センターコンソールを開けてティッシュを取ろうとして手を止めた。
 パンツに手を差し入れて直接触ってみる。突起部はピンと立ったままでそれは敏感に反応し、段々収まりがつかなくなった。激しく指を動かしていると、自然にか故意か、秘部がヌルリと指を呑み込む。
 山田の物の感触が口の中にプレイバックしてきた。二本指をぐっと挿し込み、ビクッと体を反らせる。
「っはぁぁぁ、亮介……」