0054ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
2018/05/31(木) 19:38:31.58ID:e9HLf/lY雑音が耳に入る。
気取られないように顔を僅かに動かす。
視界の隅にお調子者を捉え、左腰に差していた刀の鯉口を切った。
振り向き様に抜刀。ごとりと鈍い音がした。地面に転がる顔を見やる。
「惚けたか」
一言で切り捨てた。
立ち去る間際、懐に手を入れる。取り出した和紙に刀身を挟み、血糊を拭った。
その場で和紙を中空に放つ。散華の白い花に彼岸花の朱が混じる。
祈るような思いを目に宿し、深い闇へと歩み出す。