もちろん大鎌というものは普通なら引かないと切れないのだが、
レイのデスサイズはゼパイル一門の魔獣術で生み出されたものなのだ。
そんな物が普通の大鎌と同じであるはずがない。
現に目の前の冒険者は胴体と足が離れてしまっていた。
「大鎌なのだから引かなければ切れないはずだ」
愚かにも勝手にそう思い込んでしまった相手は、レイの太刀筋を読めなかったのだ。
いや、この場合は相手の勝手な勘違いによる油断までもを自然に戦闘に組み入れているレイが凄いのだというべきか。
もし使い手がレイではなく並の冒険者であったなら、これほど油断を誘うことはできなかっただろう。