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乙です!
読んでいた作品が一区切りまで来たから、新スレ早々に早速一作レビュー
【作品名】 ROMANCE DAWN STORY
【作者名】 ヘビとマングース
【URL】 syosetu.org/novel/88610/
【原作】 ONE PIECE
【長さ】長編 270話
【概要】or【紹介理由・感想】
訳有りの過去を持つオリ主が、ルフィと出会ったのを機にかつての情熱を思い出し、彼を海賊王にするべく共に海へ出る物語。
「オリ主がルフィと出会い、彼の仲間になる」は、この作品に限らず二次創作ではよく見られるテンプレではある。
しかし、この小説では、原作クルーがルフィの勧誘を受けてから加入するまでの過程と同じくらい丁寧に描かれている。

オリ主は麦わらの一味には珍しい知略キャラなので、戦闘よりもルフィが苦手としている策謀をカバーする形で動いている。
その立ち位置故に、自ら積極的に憎まれ役や汚れ仕事を引き受けるだけでなく、一味には内緒で暗躍する形で動く場面が多い。
しかしルフィは、彼が一味の中では自分にしか出来ない役割を果たそうとしていることをしっかりと理解している。
オリ主自身も、行動原理や目的全てが「ルフィを海賊王にする為」一点のみで動くなど、互いに固い信頼を寄せ合っている。

この小説の大きな特徴は、映画を始めとしたアニメ番外編の出来事や設定も巧みに物語の流れに組み込んでいるところ。
これらの要素によって、原作には無かった出来事の多くが起こった扱いになっており、原作との差異を見比べるのも楽しい。
他にも一味全員の実力は原作よりも上がっているが、敵も原作以上の実力で挑んでくる為、ギリギリの戦いが繰り広げられる。

作品の中身は基本的に原作沿いの物語ではあるが、「ONE PIECE」と言う漫画を文庫小説にした感じになってる。
オリ主のタグが付いてはいるが、オリ主の動向ばかりでなく一味全員の動きや心情も余すことなく描写されている。
他にも、オリ主の加入や行動によって起きる物語の変化も曖昧にはせず、しっかりと納得出来る形で描いている。

現在は、オリ主にとって過去の因縁の一つであるアラバスタ編が進んでいたが、最近は遂にクロコダイルとの決戦を制した。
長い物語ではあるが、作者は「ONE PIECE」に登場するキャラ達の特徴や性格、そして細部まで非常に良く理解している。
その為、一度読み始めると、深くまで考えられた設定や物語の流れ、そして内容の濃さに圧倒される。

【地雷要素又は注意事項】
話数が300話近くあることや一話あたりの文字数が多い為、読み切るには時間が掛かる。
また、あらゆる展開を丁寧なだけでなく詳細に描いているので、一つの出来事を解決するのに何話も掛けていることが多い。
他にも原作では仲間にならなかったキャラが、麦わらの一味に加わっている他、本作オリジナルキャラも何名か登場している。