A 子とB 男の想いは随分と変質している。
私も最近は消え入りそうだ。
光と蝉の声に。だが消えない。
和紙は保存されている。あの紙にしたためられた文字、私の本体が
消滅しない限り、文字が化けた私は死ぬ事ができない。

A子はあえぐ。声にあわせてB男は息を吐く。
私は彼らを眺めながら
呟く。