>>184
進化とは体の退化だ。
いらないものは下流に佇む小石のように削れ、どんどん理想のフォルムに近づいていく。
その姿形が異形であれど、それが僕自身の姿なのだ。
僕は部屋を出ようとドアノブに手をかけるが、ドアノブはまるで初めて銃の引き金を引くように重かった。
いつもと変わらない世界は、新しい僕を受け入れてくれるのだろうか?
進化した僕を受け入れてくれるのだろうか?
口に出せない心配事は、喉で止まり、肺を膨らませ息苦しくさせる。
僕はふと床を見下ろした。
無残に床に張り付く形のないおちんちんが、オマエは進化ではなく退化をしていると言ってるような気がした。