甘く優しい世界で生きるには

序盤を越えた辺りから文章力が妙に安定してきて「これはちょっと期待できるか?」と思って読み進めたものの
合宿編から勢いがなく絶望的に退屈で無事死亡、しかもその退屈な中で過去編が始まり更に死亡

そもそもが「主人公はやさぐれてたが立ち直ったのでやり直したい」というところからストーリーが始まってるので
そのやさぐれてた理由を描く過去編はどうしても既に乗り越えた悩みを蒸し返してうじうじし直しているような印象になり
それに耐えられなくて読む気を完全に削がれた

過去編で語られるスキルの設定もまた酷い
スキルの概念を世界観に落とし込もうと頑張ってはいるのだが、設定的には
「乱れ突きなど普通の戦闘技術までもがスキル」「覚えられるスキルは生まれつきの才能で決まる」「スキルの性能には努力や訓練では絶対に追いつけない」
という完全に努力否定の世界観になってしまっており、
不良だった熱血主人公がこれからは心を入れ替えて頑張るという話でそれはちょっとないだろうとしか
「現実を思い知ったのでこれからは頑張らずにスキルに頼って生きていこうと思う」などというのは
更生物語としていくらなんでも夢がなさ過ぎる