暗殺貴族、これは回復術師に続くヒット作になるかも知れないと思えてきた
典型的月夜主人公と状況が実によくかみ合っている
少し前に出てきた脳筋分家。あれは古典的な主人公像を高度な描写技術で道化にしているんだ
考えてみてくれ
・その性、勇猛にして誠実。不実有りと信じれば当主に直言するも辞さず
・戦いにあっては魔力持ちとして猛戦し、戦い終わればトウアハーデの医術で人を癒す
あの一族が普通の武門なら、少なくとも親が頭を抱えるような人物ではない
場合によっては「ルーグ、お前には技はあっても心が無い」という定番の台詞で追い出された
主人公が逆恨みから悪役街道一直線だってあり得た。

だが、トウアハーデは暗殺貴族。平然と人倫に反するのは、むしろ当主の絶対条件だ
仮にロナハが当主になったとしよう。王命であっても納得できない暗殺指令が来たら、
彼は家を潰してしまうかも知れない

古典的主人公の戯画化には徹底的に不向きで、月夜主人公には素晴らしい好環境
「ルーグは暗殺者に向いているよ。怖いぐらいにな」
という父親の台詞が心から納得できる