>>455
web版だけど

ニコラウス・シュペルタス枢機卿。
 神聖法皇国ルベリオスの唯一神聖不可侵たる法皇の懐刀であり、西方聖教会の実質上の頂点に君臨する男。
 その彼が、ヒナタに対してだけは、まるで子犬のように忠実に懐いてくるのだ。
 昨夜もベットを供にして、一晩中相手をさせられた。
 飽きる事無く、身体中を舐めまわす彼を見やり、
(本当、犬みたい…)
 そうヒナタは思ったものである。
 彼は、ヒナタを崇拝している。
 まるで、女神か聖女でもあるかの如く。バカな男だ、ヒナタはそう思う。
(私だって、食事も摂れば排泄もする。年を取れば、当たり前だが老化するのだ。
 何時までも美しい身体という訳では無いのに。この男は、幻想を見ているだけなのだ)
 彼が彼女の身体を望むならば与えよう。安いものである。
 この身体にそれ程価値があるとは思えないが、彼が望むなら好きにすればいい。