何もかもが上手くいっている。


 数日前の消極的だった僕に、今の僕を見せてやりたいほどだ。


 今の僕ならば声を大にして言える。

 少し勇気を出せば、もっと素晴らしいものが手に入るんだと。

 頑張れば、それだけの結果が返ってくるんだと。


 そう、伝えたい。


 何も信じられない異世界だとしても、──だからこそ、物語のような結末が僕には待っている。


 そのことを過去の僕に教えてあげたい。


 僕は羽のように軽くなった身体で走る。

 苦しみも怒りも、もうない。何でもできると思った。