0418この名無しがすごい!
2019/02/17(日) 01:27:56.45ID:sULVXbkp【泣かない人形】(1/3) 
親との死別をラッキーだと思うのは何度目だろうか。
雪に包まれた銀世界で一人、俺は親だった肉を頬張る。
俺の日常が引き裂かれてから体感時間でどれだけの時が過ぎたのか解らない、だが絶対時間なら解る。
コレは旅行中だった俺達家族の乗る車を謎の光が包んだあの瞬間から10分後の出来事だ。
二泊三日のスキー旅行、滅多にない家族の時間に起きたアクシデント、車を包んだ光は運転中だった父の視界を奪い車はガードレールを突き破り崖の下へ落下、“俺を含めた”家族はそこで死んだ。
俺は死んだ筈で、両親は飢えた俺に食い尽くされた筈で、筈で、筈で、筈で、事故の後に俺に起こった全てが否定された世界を俺は延々と繰り返す。
俺の人生は何時の間にかバグっていた、ゲームオーバーは消え去り、代わりにセーブデータのロードが居座ってしまったらしい。