修道とは、五胡十六国の時代に越地方で流行した実戦武術である。
その要諦は「力は技を超える。技を超える圧倒的な力、これぞパワーだ」であり、
ひたすら皮を取った鶏肉とバターを取った後の乳を飲みつつ、重い岩を運び上げるものである。
その過酷な修練に耐えられるのは千人に一人ともいわれるが、極めた者はまさに
力だけであらゆる高度な武術を粉砕して見せたという。

隋の成立に伴いその故郷が根切りにされたため伝承は絶えているが、
南方における「阿修羅」信仰の中にその名残が残っているとされる。

民明書房刊「南方の失われた武術の数々」より