ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【121】
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オリジナルの文章を随時募集中!
点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!
評価依頼の文章はスレッドに直接、書き込んでもよい!
抜粋の文章は単体で意味のわかるものが望ましい!
長い文章の場合は読み易さの観点から三レスを上限とする!
それ以上の長文は別サイトのURLで受け付けている!
ここまでの最高得点77点!(`・ω・´)
前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する【120】
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1549073894/l50 そっから先は見てないけど
多分
日本は真珠湾攻撃で航空機からの爆撃で大成功したのになぜ戦艦による海戦にこだわったのか
逆に浮沈艦大和をアメリカがどうやって沈めたのかを解説してたんだよね 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
ああ、あなたがいつもそうなのだということは知っていた。前々からよく口にしていのだ。
あなたは酷い男だった。秋の涼しくなった頃に恋人を探し、春が来て暖かくなった頃に面倒になって別れるのだと、私を抱きながらも得意気にそんなことをよく口にしていたものだ。なんてことはない、私もその一人になったというだけの話だ。
カレンダーが視界に入った。三月に差し掛かってから、三寒四温が続いていた。本格的な春が訪れる日も近いだろう。
あなたは裸でベッドに座って、天井を見上げてぼうっとタバコを吸っている。
逞しい身体つきだ。まるでギリシャの彫像の様な引き締まった筋肉。私の目は、あなたの身体から離せない。
あなたは鼻を鳴らし、くしゃくしゃっと髪に触れる。その何気ない仕草のすべても愛おしかった。あなたははあと溜め息を吐いて、天井へと目を向ける。
「そろそろ、だな」
私の気持ちなんてまるで知らないというふうに、あなたはそんなことを言う。
「愛していたよ」
終わったことを後で語る様な、そんな言い方だった。
「本当に、酷い人ね」
あなたは少しだけ私を見る。そして頬へと手を触れた。
「俺が酷い奴なのは、出会ったときに知っていたことだろう」
そんな台詞を、無感情に口にしてみせる。そうしてあなたはベッドを立つ。
「最後のデートは山にしようか、海にしようか」
山がいいと、私は返した。あなたは小さく微笑んだ。
◆
○県△市にて、四月二十日、十一月より行方不明になっていた△△さん(当時25)の遺体が◇山奥地より発見された。○県警は死体遺棄の容疑で××容疑者(30)の身柄を確保し、同容疑にて逮捕した。
○県△市では数年に渡って同様の若い女性の行方不明事件が発生しており、××容疑者と関係があるものと見て、○県県警は調査を進めている。
また、△△さんの遺体は腐敗が進んでおり、死後半年近く経過していると見られる。 >>446
つまり、46センチ搭載の戦艦が7万トンでよく、収まったな! これが米英だったら、10万トンになっても
おかしくないと、思っている訳ですな!w 戦艦大和 設計と建造 増補決定版という本があるんだが、amazonで5万円以上する!
これをブックオフで買ったオレはラッキー!w >>450
伊号も何気に凄いよね
潜水空母www
アメリカがろかくした後に構造を調べまくったが
あまりの軍事機密の密集度に他国への漏洩を恐れて沈めてしまった逸品 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>448
只今、一作品!(`・ω・´) >>442
悪くはないが物足りない!
大和の描写が短いように感じる!
それとヴィリーとの関係を明かしたあとの描写も欲しかった!
嘗てのクラスメイトで敵同士の二人が蕎麦屋で邂逅を果たした!
どのような思いで一時を過ごすのか! 老境に至った今の二人を見たかった!
この文字数ならば倍は書ける! 悪くない話だけに勿体ないと云う思いが強い!
ワイの感想!(`・ω・´) >>453
ワイ師匠! 講評有難う御座います!
これを基礎に多分、数十ページの短編が書けると思います。
林譲治海軍少尉は、私がプロットを練っている作品の登場人物の一人で描いてみたいな、と思った
魅力ある男です。4月7日は祖母の兄が実際に軍艦大和に乗り組み、散華した日なので、彼を主人公に
何か描きたいと思って温めて居ります。
戦闘描写に関しては文字制限がなければ、もっと詳細に描けるんじゃないかと。
折角、集めた資料があるんだから、使わなければ勿体ないですからね! ブライダルプランナーがテキパキと段取りを進めていく。彼は爽やかな笑顔で質問に答えていく。でも私は張りついたような笑顔を浮かべているにちがいなかった。目の前で進行していく計画を虚ろな瞳で見ているんだろう。
私はどこか遠くにいて、モニター越しに彼らを見ているに違いなかった。「千春さんはどう思う?」ふいに話しかけられて我に返った。「えっと、なんだっけ」彼は爽やかな笑顔を複雑そうな表情に変えた。「千春さん、ちょっと最近おかしいよ」
「そ、そうかな、ちょっと仕事で悩んでて」「もう辞める仕事の事なんか考えてどうすんの」「そ、そうだね、忘れちゃおう」私は精一杯笑った。彼は安心したように話を進める。私38歳、彼、新山透42歳、大手自動車メーカーの本社勤務課長だっった。
誰もがこの縁談を祝福した。
「ねえ、俺の自転車のキー知らない?」私はキッチンに立ち、背中で答える。「だからいつも言ってるのに、キーは玄関の籠の中に入れなさいって、佑太は免許が無いんだから、自転車の管理ぐらいしっかりしなさいよ、脱いだズボンのポケットは」
背後でごそごそするのを感じながら洗い物を続けた。「あは、あった」予想通りの結果と反応だ。そして、佑太が後ろから抱き着いてきた。無駄に身長の高い佑太の顎が私のつむじに乗る。「千春さんは俺の事なんでもわかるんだね、大好き」
バイトは10時からだと言ってたのにもう9時40分だ。駅まで自転車でどんなに飛ばしても5分はかかる。そこから2つ先の駅まで行き、徒歩5分。また首になるに違いない。でも彼に抱かれているのは心地いい。私は叱責を躊躇していた。
六大学というネームバリューだけで入社してきたダメ社員。私は上司で教育係、そして今は母親だ。
「親がどうしてもって言うから会ったの、そしたら相手がすごく乗り気でね」布団の中で私の背中にぴったりと肌をくっつけている佑太の挙動に集中したが、これといった動きはなかった。「そう」それはどういう反応なのだろう。
あなたにとってはその程度の事で、焦りも嫉妬も感じない些細な事なんだね。目尻から涙がこぼれ落ちて枕に染みこんでいった。そして「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。体の震えを必死に押さえた。あなたが平然と別れを口にしたのに
私だけ動揺するのは悔しい。「……なんで春」佑太がぎゅっと抱きしめてきた。「だって、今は凄く寒いもん」湯たんぽがわりか……。私はもう震えに抵抗するのを諦めた。そう、今はとても寒いから。
打ち合わせの後、彼は急いで職場に戻った。好景気な自動車メーカーの役つきに土日はないらしい。私はアパートの手前まできて1人の部屋に帰るのが嫌で公園をうろついた。桜のつぼみがはじけてまばらに花を咲かせている。
「千春さん」不意に聞こえた聞き覚えのある声に反射的に振り返りそうになったがぐっと堪えた。「何か忘れ物?」私はゆっくりと振り返った。縦長い佑太だが、今日あらためて見ると、より縦長く見える。新山さんがあまり身長の高いほうでは
無い事もあるかもしれない。
「なに?」「結婚が決まったんだってね、おめでとう」頭の後ろを押さえていつものように緩い表情で笑っている。「ありがとう」すると佑太は意外な事を口にした
「俺も就職が決まってさ、県外に行くんだ」
寄生の宿主がいなくなって本気を出したといった所か。今更どうでもいい話だ。「そう、おめでとう」「じゃあお互い頑張ろうね」そう言って佑太は踵を返し、歩き始めた。一体何をしにきたんだろう。さっぱりわからない。
だけど私の頬を涙が伝った。
やっぱり私期待してた。何か言ってくれるんじゃないかと期待してた。でもこれで本当に諦めよう。私は頭を垂れた。その瞬間だった。「やっぱり嫌だ!」突然の大声に私は顔を上げた。拳を握り締めて立ち止まっていた佑太がこちらを向いた。
「俺じゃ千春さんを幸せにできないと思ったけどやっぱり耐えられない、千春さんが他の男のものになるなんて絶対やだ!」あまりの事に私は言葉を失った。見たことのない真剣な眼差しと怒りにもにた震える体。
嘘だ。佑太はそんな事は言わない。騙されちゃいけない。しかし佑太は猛然とこちらへ戻ってきて半ばタックルのように私を抱きしめた。足が宙に浮いてパンプスがぶらぶらとぶら下がった。「千回目の、別れるのは千回目の春じゃだめですか? 千春さん!」
熱い。佑太の体が熱い。私は目を瞑って天を仰いだ。今、私の涙の色が変わった。 ブライダルプランナーがテキパキと段取りを進めていく。彼は爽やかな笑顔で質問に答えていく。でも私は張りついたような笑顔を浮かべているにちがいなかった。目の前で進行していく計画を虚ろな瞳で見ているんだろう。
私はどこか遠くにいて、モニター越しに彼らを見ているに違いなかった。「千春さんはどう思う?」ふいに話しかけられて我に返った。「えっと、なんだっけ」彼は爽やかな笑顔を複雑そうな表情に変えた。「千春さん、ちょっと最近おかしいよ」
「そ、そうかな、ちょっと仕事で悩んでて」「もう辞める仕事の事なんか考えてどうすんの」「そ、そうだね、忘れちゃおう」私は精一杯笑った。彼は安心したように話を進める。私38歳、彼、新山透42歳、大手自動車メーカーの本社勤務課長だっった。
誰もがこの縁談を祝福した。
「ねえ、俺の自転車のキー知らない?」私はキッチンに立ち、背中で答える。「だからいつも言ってるのに、キーは玄関の籠の中に入れなさいって、佑太は免許が無いんだから、自転車の管理ぐらいしっかりしなさいよ、脱いだズボンのポケットは」
背後でごそごそするのを感じながら洗い物を続けた。「あは、あった」予想通りの結果と反応だ。そして、佑太が後ろから抱き着いてきた。無駄に身長の高い佑太の顎が私のつむじに乗る。「千春さんは俺の事なんでもわかるんだね、大好き」
バイトは10時からだと言ってたのにもう9時40分だ。駅まで自転車でどんなに飛ばしても5分はかかる。そこから2つ先の駅まで行き、徒歩5分。また首になるに違いない。でも彼に抱かれているのは心地いい。私は叱責を躊躇していた。
六大学というネームバリューだけで入社してきたダメ社員。私は上司で教育係、そして今は母親だ。
「親がどうしてもって言うから会ったの、そしたら相手がすごく乗り気でね」布団の中で私の背中にぴったりと肌をくっつけている佑太の挙動に集中したが、これといった動きはなかった。「そう」それはどういう反応なのだろう。
あなたにとってはその程度の事で、焦りも嫉妬も感じない些細な事なんだね。目尻から涙がこぼれ落ちて枕に染みこんでいった。そして「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。体の震えを必死に押さえた。あなたが平然と別れを口にしたのに
私だけ動揺するのは悔しい。「……なんで春」佑太がぎゅっと抱きしめてきた。「だって、今は凄く寒いもん」湯たんぽがわりか……。私はもう震えに抵抗するのを諦めた。そう、今はとても寒いから。
打ち合わせの後、彼は急いで職場に戻った。好景気な自動車メーカーの役つきに土日はないらしい。私はアパートの手前まできて1人の部屋に帰るのが嫌で公園をうろついた。桜のつぼみがはじけてまばらに花を咲かせている。
「千春さん」不意に聞こえた聞き覚えのある声に反射的に振り返りそうになったがぐっと堪えた。「何か忘れ物?」私はゆっくりと振り返った。縦長い佑太だが、今日あらためて見ると、より縦長く見える。新山さんがあまり身長の高いほうでは
無い事もあるかもしれない。
「なに?」「結婚が決まったんだってね、おめでとう」頭の後ろを押さえていつものように緩い表情で笑っている。「ありがとう」すると佑太は意外な事を口にした
「俺も就職が決まってさ、県外に行くんだ」
寄生の宿主がいなくなって本気を出したといった所か。今更どうでもいい話だ。「そう、おめでとう」「じゃあお互い頑張ろうね」そう言って佑太は踵を返し、歩き始めた。一体何をしにきたんだろう。さっぱりわからない。
だけど私の頬を涙が伝った。
やっぱり私期待してた。何か言ってくれるんじゃないかと期待してた。でもこれで本当に諦めよう。私は頭を垂れた。その瞬間だった。「やっぱり嫌だ!」突然の大声に私は顔を上げた。拳を握り締めて立ち止まっていた佑太がこちらを向いた。
「俺じゃ千春さんを幸せにできないと思ったけどやっぱり耐えられない、千春さんが他の男のものになるなんて絶対やだ!」あまりの事に私は言葉を失った。見たことのない真剣な眼差しと怒りにもにた震える体。
嘘だ。佑太はそんな事は言わない。騙されちゃいけない。しかし佑太は猛然とこちらへ戻ってきて半ばタックルのように私を抱きしめた。足が宙に浮いてパンプスがぶらぶらとぶら下がった。「千回目の、別れるのは千回目の春じゃだめですか? 千春さん!」
熱い。佑太の体が熱い。私は目を瞑って天を仰いだ。今、私の涙の色が変わった。 ブライダルプランナーがテキパキと段取りを進めていく。彼は爽やかな笑顔で質問に答えていく。でも私は張りついたような笑顔を浮かべているにちがいなかった。目の前で進行していく計画を虚ろな瞳で見ているんだろう。
私はどこか遠くにいて、モニター越しに彼らを見ているに違いなかった。「千春さんはどう思う?」ふいに話しかけられて我に返った。「えっと、なんだっけ」彼は爽やかな笑顔を複雑そうな表情に変えた。「千春さん、ちょっと最近おかしいよ」
「そ、そうかな、ちょっと仕事で悩んでて」「もう辞める仕事の事なんか考えてどうすんの」「そ、そうだね、忘れちゃおう」私は精一杯笑った。彼は安心したように話を進める。私38歳、彼、新山透42歳、大手自動車メーカーの本社勤務課長だっった。
誰もがこの縁談を祝福した。
「ねえ、俺の自転車のキー知らない?」私はキッチンに立ち、背中で答える。「だからいつも言ってるのに、キーは玄関の籠の中に入れなさいって、佑太は免許が無いんだから、自転車の管理ぐらいしっかりしなさいよ、脱いだズボンのポケットは」
背後でごそごそするのを感じながら洗い物を続けた。「あは、あった」予想通りの結果と反応だ。そして、佑太が後ろから抱き着いてきた。無駄に身長の高い佑太の顎が私のつむじに乗る。「千春さんは俺の事なんでもわかるんだね、大好き」
バイトは10時からだと言ってたのにもう9時40分だ。駅まで自転車でどんなに飛ばしても5分はかかる。そこから2つ先の駅まで行き、徒歩5分。また首になるに違いない。でも彼に抱かれているのは心地いい。私は叱責を躊躇していた。
六大学というネームバリューだけで入社してきたダメ社員。私は上司で教育係、そして今は母親だ。
「親がどうしてもって言うから会ったの、そしたら相手がすごく乗り気でね」布団の中で私の背中にぴったりと肌をくっつけている佑太の挙動に集中したが、これといった動きはなかった。「そう」それはどういう反応なのだろう。
あなたにとってはその程度の事で、焦りも嫉妬も感じない些細な事なんだね。目尻から涙がこぼれ落ちて枕に染みこんでいった。そして「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。体の震えを必死に押さえた。あなたが平然と別れを口にしたのに
私だけ動揺するのは悔しい。「……なんで春」佑太がぎゅっと抱きしめてきた。「だって、今は凄く寒いもん」湯たんぽがわりか……。私はもう震えに抵抗するのを諦めた。そう、今はとても寒いから。
打ち合わせの後、彼は急いで職場に戻った。好景気な自動車メーカーの役つきに土日はないらしい。私はアパートの手前まできて1人の部屋に帰るのが嫌で公園をうろついた。桜のつぼみがはじけてまばらに花を咲かせている。
「千春さん」不意に聞こえた聞き覚えのある声に反射的に振り返りそうになったがぐっと堪えた。「何か忘れ物?」私はゆっくりと振り返った。縦長い佑太だが、今日あらためて見ると、より縦長く見える。新山さんがあまり身長の高いほうでは
無い事もあるかもしれない。
「なに?」「結婚が決まったんだってね、おめでとう」頭の後ろを押さえていつものように緩い表情で笑っている。「ありがとう」すると佑太は意外な事を口にした
「俺も就職が決まってさ、県外に行くんだ」
寄生の宿主がいなくなって本気を出したといった所か。今更どうでもいい話だ。「そう、おめでとう」「じゃあお互い頑張ろうね」そう言って佑太は踵を返し、歩き始めた。一体何をしにきたんだろう。さっぱりわからない。
だけど私の頬を涙が伝った。
やっぱり私期待してた。何か言ってくれるんじゃないかと期待してた。でもこれで本当に諦めよう。私は頭を垂れた。その瞬間だった。「やっぱり嫌だ!」突然の大声に私は顔を上げた。拳を握り締めて立ち止まっていた佑太がこちらを向いた。
「俺じゃ千春さんを幸せにできないと思ったけどやっぱり耐えられない、千春さんが他の男のものになるなんて絶対やだ!」あまりの事に私は言葉を失った。見たことのない真剣な眼差しと怒りにもにた震える体。
嘘だ。佑太はそんな事は言わない。騙されちゃいけない。しかし佑太は猛然とこちらへ戻ってきて半ばタックルのように私を抱きしめた。足が宙に浮いてパンプスがぶらぶらとぶら下がった。「千回目の、別れるのは千回目の春じゃだめですか? 千春さん!」
熱い。佑太の体が熱い。私は目を瞑って天を仰いだ。今、私の涙の色が変わった。 「そ、そうかな、ちょっと仕事で悩んでて」「もう辞める仕事の事なんか考えてどうすんの」「そ、そうだね、忘れちゃおう」私は精一杯笑った。彼は安心したように話を進める。私38歳、彼、新山透42歳、大手自動車メーカーの本社勤務課長だっった。
誰もがこの縁談を祝福した。
「ねえ、俺の自転車のキー知らない?」私はキッチンに立ち、背中で答える。「だからいつも言ってるのに、キーは玄関の籠の中に入れなさいって、佑太は免許が無いんだから、自転車の管理ぐらいしっかりしなさいよ、脱いだズボンのポケットは」
背後でごそごそするのを感じながら洗い物を続けた。「あは、あった」予想通りの結果と反応だ。そして、佑太が後ろから抱き着いてきた。無駄に身長の高い佑太の顎が私のつむじに乗る。「千春さんは俺の事なんでもわかるんだね、大好き」
バイトは10時からだと言ってたのにもう9時40分だ。駅まで自転車でどんなに飛ばしても5分はかかる。そこから2つ先の駅まで行き、徒歩5分。また首になるに違いない。でも彼に抱かれているのは心地いい。私は叱責を躊躇していた。
六大学というネームバリューだけで入社してきたダメ社員。私は上司で教育係、そして今は母親だ。
「親がどうしてもって言うから会ったの、そしたら相手がすごく乗り気でね」布団の中で私の背中にぴったりと肌をくっつけている佑太の挙動に集中したが、これといった動きはなかった。「そう」それはどういう反応なのだろう。
あなたにとってはその程度の事で、焦りも嫉妬も感じない些細な事なんだね。目尻から涙がこぼれ落ちて枕に染みこんでいった。そして「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。体の震えを必死に押さえた。あなたが平然と別れを口にしたのに
私だけ動揺するのは悔しい。「……なんで春」佑太がぎゅっと抱きしめてきた。「だって、今は凄く寒いもん」湯たんぽがわりか……。私はもう震えに抵抗するのを諦めた。そう、今はとても寒いから。
打ち合わせの後、彼は急いで職場に戻った。好景気な自動車メーカーの役つきに土日はないらしい。私はアパートの手前まできて1人の部屋に帰るのが嫌で公園をうろついた。桜のつぼみがはじけてまばらに花を咲かせている。
「千春さん」不意に聞こえた聞き覚えのある声に反射的に振り返りそうになったがぐっと堪えた。「何か忘れ物?」私はゆっくりと振り返った。縦長い佑太だが、今日あらためて見ると、より縦長く見える。新山さんがあまり身長の高いほうでは
無い事もあるかもしれない。
「なに?」「結婚が決まったんだってね、おめでとう」頭の後ろを押さえていつものように緩い表情で笑っている。「ありがとう」すると佑太は意外な事を口にした。
「俺も就職が決まってさ、県外に行くんだ」
寄生の宿主がいなくなって本気を出したといった所か。今更どうでもいい話だ。「そう、おめでとう」「じゃあお互い頑張ろうね」そう言って佑太は踵を返し、歩き始めた。一体何をしにきたんだろう。さっぱりわからない。
だけど私の頬を涙が伝った。
やっぱり私期待してた。何か言ってくれるんじゃないかと期待してた。でもこれで本当に諦めよう。私は頭を垂れた。その瞬間だった。「やっぱり嫌だ!」突然の大声に私は顔を上げた。拳を握り締めて立ち止まっていた佑太がこちらを向いた。
「俺じゃ千春さんを幸せにできないと思ったけどやっぱり耐えられない、千春さんが他の男のものになるなんて絶対やだ!」あまりの事に私は言葉を失った。見たことのない真剣な眼差しと怒りにもにた震える体。
嘘だ。佑太はそんな事は言わない。騙されちゃいけない。しかし佑太は猛然とこちらへ戻ってきて半ばタックルのように私を抱きしめた。足が宙に浮いてパンプスがぶらぶらとぶら下がった。「千回目の、別れるのは千回目の春じゃだめですか? 千春さん!」
熱い。佑太の体が熱い。私は目を瞑って天を仰いだ。今、私の涙の色が変わった。 ワイ師匠、美世さん! 角平は実在の蕎麦屋です!
http://www.kadohei.com/ 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>448
>>459
只今、二作品!(`・ω・´) どーもすいません!(`・ω・´) 精米を始めるか! >>456
>>457
>>458
id変えて自作品にベタやなーとか自演レスワロタ で、結局>>459の中途半端なのが参加作品認定されててワロタ
アホ丸出しだな >>469
いや、自虐で言おうとしたけど一回一回Idがかわる
その後も変わってるでしょ >>471
で、そのレスで美世ってバレたしな
やっぱりお前はアホ丸出しだわ というか美世が端末複数使ってここでいつもやってるのもバレたな
自演常習者か >>448
オリジナリティーZERO!
掃いて捨てるほどあるような話を短くしただけ
取り消して新しいの書いてください! >>477
横だけど、二作品しか出てないのに配慮がなさすぎじゃね? >>476
複数端末使いや自演がバレバレの美世ちゃん乙 >>451が深夜からの美世端末
>>456がワイハイ参加用の名無し端末
>>457がワイハイ参加用端末のid変えか、もう一つの自演レス用端末
で、>>458が自演失敗した投稿レス
あとは>>471が美世がこのスレで複数端末使いであった証拠レス 証拠はあるだろ
idが変わるとか言いながら、深夜からidが変わってない端末も普通に使ってるのが苦しい言い訳の証拠だしね
結局いつもウソばっかり付いてるから、このようにアホ丸出しなのが色々すぐにバレるんたろな 自作がエントリーされたかどうかはノーコメント
客観的な意見を言う
・自演はしない
特にワイ杯ではいくら自分を褒め称えても無意味
何の評価にも繋がらない
ワイさんに評価してもらった上で上位を目指すのが面白い
風評の流布で評価が上がると考える設定の浅はかさは驚きの一言
・ワイ杯では発表があるまでは絶対に口出ししない
意図しないワイさんの寸評があって、曲解されてると思っても発表まではひたすら沈黙する
ワイさんは評価者であると同時に1読者であるからだ
読者に一回一回意味を説明する事はできないし、そんなのは創作者ではない
・設定は恥ずべき性格の持ち主
浮気をする男が人の浮気を疑うのと同じ
恐らく自演に何の罪悪感も無いんだろう もう1つの理由
俺が昼間に投稿する場合は自宅のPCは使えない
携帯端末ではバイト数がわからなくて文字数が多い傾向にある俺はワイ杯にエントリーしづらい
4098バイトだっけ
そこに滑り込ませる為にはPCを使わなければならない
IDがいちいち替わるのは俺の責任ではない
あと、携帯の機種を先月から変えた所、IDが安定した
だからトリップはつけていない さて設定君
俺は全ての質問に答える事ができる
やってみる? pcだー携帯だーとかごちゃごちゃ言いながら、実際複数の端末で参加作を投稿したりしてるから、言い訳すらもアホ丸出しなんだわな
頭が壊滅的に悪いのがすぐわかるわ 自作がエントリーされたかはノーコメントとか言いながら、めちゃめちゃバレバレだしね
そのバレた原因も、自爆だしさ
結局ガチなアホなんだわな、こいつはさ そのくせ、自分の中だけでは頭が良いつもりでいるから、こういうガイジはタチが悪いんだよね 質問が無いなら君との会話はこれで終了する終了する
頑張って主治医の目を盗んで書き込んでくれたまえ てか、会社のpcで仕事中に参加作を書いて貼るとかもおかしいしな
結局ガイジは言い訳すらもアホみたいなもんしか思い付かないんだろね まあ、エアー会社員だから、逆にそういうアホみたいな言い訳かが思い付くのかもな
まさに、ニートのしょうもない妄想だよな 「うどん粉は相当旨いらしい。俺は楽しみだ」
透明な天井の向こう側から、あなたの背中が喜々として語りかけた。
巨大な葉の上に建てられた1Kルームの集合住宅に、ボクたちは住んでいる。
狭苦しい身動きの取れぬ密集地。辛うじて動かせるのは首のみで、ボクはいつも天井を眺めていた。
兄もまたボクと同じように拘束されている。この硝子のような美しき堅牢な天蓋と障壁は、確かに風よけにはなるものの、鬱陶しく感じる機会のほうが多かった。
「うどん粉かぁ」
何をすることもなく、唯一の自由である口で兄の言葉を反芻した。うどん粉など生まれてこのかた食べたことはない。そもそもボクはまだ食事をしたことがない。
ただ時間が過ぎるのをこの部屋で待つだけの一日。朝日が現れ、ボクたちの部屋を一通り照らしたのち、沈む。まるで悪戯をした子供のように、親の怒りが収まるのを待つ。これは罪か罰か。
ボクたちはもしや愛されていないのではないか。孤独の裁き。逆巻く侮蔑。
雨が降り、風が騒ぎ、雪が崩れる。一定に保たれた部屋がゆっくりと暖かくなる。
「ボクたちはいつか死ぬのでしょうか」
背中越しのあなたに、ぼくは訪ねた。
あなたは一切動かないまま応えた。
「あぁ。死ぬ。必ず死ぬ。病気か寿命か食われるか殺されるか。死ぬ理由はいくつもあるが、理由などどうでもよい」
不安定なせせらぎを押し込めるように、あなたは答えた。
「死ぬのなら……なぜボクたちは生きるのでしょうか」
声を絞る。不安が零れる。
「我々は死ぬために生きている。それが不思議か?」
「ええ。僕にとっては不思議です。あなたは違うのですか」
「いいや不思議だよ。死ぬために生きているとはなんたる不思議か。だがしかし――それは疑問に思ってはならない。追及してはならない。疑問を持てば――我々に意味がなくなってしまうからだ」
「意味がなくなる……のですか」
それ以降彼は答えなかった。ボクはまた天井を見つめる作業へ戻った。
数時間、数日、数か月。どれほど経ったかは分からない。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
それは突然の言葉で、ボクは意味を計りかねた。らしくない、とは思ったが理解できずに目を閉じた。
春が来た。壁は少しずつ溶けていき、堅牢だったはずの硝子たちは水に漬けたようだった。
ボクは勢いよく壁を蹴飛ばした。
渾身渾身渾身。壁には穴が開き、無理くり体をねじりながら外へ出る。
外は、大きかった。
静穏な日光を浴びた。
花信風の匂いを飲んだ。
静かな土煙の音が止んだ。
ボクは振り返り、さっきまで暮らしていた狭い集合住宅を見た。まるで紫陽花を氷に閉じ込めた白き結晶体。
あなたがいた部屋の扉は、ボクと変わらぬ大きさの穴が空いていた。
――あぁもうあなたは巣立ったのか。そんなことを一瞬だけ思案して、胡瓜の葉を強く踏み込んだ。
もう二度と会うことはあるまい。ボクたちはそれでいい。死ぬために生きていると兄は言った。それが正しいのかなんて、今のボクには分からない。
ボクは進化する。なりたい自分に成る。成長する。
正しさなど、そのあとから追い求めればよい。さすれば正しさがついてくるかもしれない。
今存在すべき理由を探すことなど愚の骨頂。
ボクの人生を、ボクが邪魔してはならない。
「別れるなら春がいいね」とボクは呟いた。この世界と離別するのに、冬ではつまらない。秋でも夏でもつまらない。
もっとも命が溢れ流れる春こそ、最後に見る世界に相応しい。
「今を楽しまなければ」
高らかな宣言ののち、きゅうりの葉に繁殖したうどんこを食べだした。
春下旬。少年がきゅうり畑へ現れた。
「ねぇパパ! テントウムシ捕まえた!」
「珍しいね。これはキイロテントウだ。こいつはね、うどんこ菌を食べる益虫だよ。胡瓜の葉に卵を積み上げて生むのさ」
父親は胡瓜の葉をひとつ千切ると、葉の上にのった卵の抜け殻を見せた。
キイロテントウたちの白き集合住宅を覗き込み、少年は屈託なく笑った。 >>502
なんか荒らしてごめん
ワイ杯の参加者は多い程面白いよ >>505
いえいえ。初参加なのでよろしくお願いいたします。 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>448
>>459
>>504
只今、三作品!(`・ω・´) 参加表明はないが! >>508
ワイさん、私が誘った新顔です
ごめんなさいちょっとルールを知らなかったみたいで 新顔というていの新たな自演キャラか
こんなママゴト遊びに必死過ぎてクソワロタ ああ上はかつてこのスレの重鎮だったが亡霊化して誰にも救えなくなった亡者だ
餓死した十字軍兵士みたいなものと思えばいい
気にすんな 神戸牛じゃないのか? それとも玉出の半額肉だったか!?w その通り
なんか書け
俺はお前と違って作品に対して作者のバイアスをかけない
マスクザヒーローでもそうだったろ
お前はウジ虫だが作品は面白かった
書けるなら書けよアホが
ウンコ食ってパワー貯めたらできるんじゃないの?
食えよウンコ
あと、俺を好きすぎるのやめろやバカ
お前のせいでワイスレ杯のルールがヤバイ 相変わらず頭が悪そうな負け犬達がキャンキャン吠えててワロタ おはよう、諸君!
挑戦を続ける者が負け犬になることはない!
一度の負けは教訓となり、次への挑戦の糧となる!
それらしい言い訳で己を慰め、立ち止まった者が真の負け犬である!
ワイスレ杯の作品は土曜日の日付が変わるまで受け付けている!
今までに培ってきた技術を駆使し、気軽に挑戦して貰いたい!
ワイの考え!(`・ω・´) バカ言ってんじゃねえよ!
俺は二回ぐらい一位になってるけどずっと負け犬だよ!
おためごかしをぬかすんじゃねえ! 第四十九回ワイスレ杯のルール!
設定を活かした内容で一レスに収める!(目安は二千文字程度、六十行以内!) 一人による複数投稿も可!
通常の評価と区別する為に名前欄、もしくは本文に『第四十九回ワイスレ杯参加作品』と明記する!
ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める!
今回の設定!
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
この一行に手を加えることなく作中に使用すること!
あなたと平仮名になっているので性別は自由とする!
人間に限定していないので擬人化でも構わない!
別れ話を切り出すのが必ずしも恋人とは限らない!
上位を狙うのであれば、この一行がないと成立しない話がよい!
応募期間!
今から土曜日の日付が変わるまで! 上位の発表は投稿数に合わせて考える! 通常は全体の三割前後!
締め切った当日の夕方に全作の寸評をスレッドにて公開! 同日の午後八時頃に順位の発表を行う!
再度の告知!(`・ω・´) 小中学校時代、桜の時期はいつも2人で兼六園を通って学校へ通った。子供の私には下らなかった観光名所も、その時期だけは宝石のように大事な思い出を作ってくれた。でも今、時速240qで思い出が遠ざかっていく。
別々の高校に行った私と拓哉は春になると兼六園で落ち合った。私は雰囲気を作って恋人同士のデート風に持ち込もうと頑張った。
だけどあなたはそんな事はおかまいなしで、小学生の登校となんら変わらなかった。ただ一つ違うのは屋台で買い食い
する事ぐらいだ。そんな時友達とばったり会ったりするとさらに最悪だ。
「あれれ、お2人さんデートかな?」
意地悪そうに聞く友達にあなたは否定する。特に焦るでもなくごく普通にだ。
「なんでだよ、あ、そうだお前も一緒に歩こうぜ」
友達はニヤニヤしながら私の顔をのぞきこむ。そして愉快そうに言うのだ。
「やめとく、あたしは野暮じゃないもん」
「なんだそれ」
そしてまた登校する小学生2人に戻るのだ。そうしてふて腐れて歩いていると、木と木の間に○○君壮行会または歓迎会なんて横断幕を張って楽しそうにしている花見集団がいたりする。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
私はドキリとする。
「なんでよ」
「だってさ、別れは寂しいけど新しい出会いがあるだろ?」
そう、あなたは遠くしか見ていない。あなたは東京に憧れていた。大都会に思いを馳せるあなたの目は輝いていた。きっとあなたは夢を追って東京にいく。
私は……。東京になんて行く理由が無かった。色々考えてみてもどれもしっくりこない。なのにあなたを追いかけるように東京に行くのもおかしい。だって私とあなたはただの幼馴染だ。
だから今日。私は笑って彼を新幹線に送り出した。何もできなかった。1人で兼六園を歩いた。涙がポトリポトリと落ちる。同じように桜は散る季節を迎えていた。春が終わる。その時、一陣の疾風が吹き荒れた。
激しく散り、渦を巻く花びらを見て何かがこみ上げてきた。私は自分を激しく責めた。
バカだ! 惨めすぎる、こんな私は嫌だ! 春は別れと出会いの季節。そうだ、別れるなら春がいい。私は決めた。惨めで臆病な自分と決別する!
五月晴れで真っ青な空の下、私は今、時速240qであなたに迫っている。 小中学校時代、桜の時期はいつも2人で兼六園を通って学校へ通った。子供の私には下らなかった観光名所も、その時期だけは宝石のように大事な思い出を作ってくれた。でも今、時速240qで思い出が遠ざかっていく。
別々の高校に行った私と拓哉は春になると兼六園で落ち合った。私は雰囲気を作って恋人同士のデート風に持ち込もうと頑張った。
だけどあなたはそんな事はおかまいなしで、小学生の登校となんら変わらなかった。ただ一つ違うのは屋台で買い食い
する事ぐらいだ。そんな時、ばったり友達と会ったりするとさらに最悪だ。
「あれれ、お2人さんデートかな?」
意地悪そうに聞く友達にあなたは否定する。特に焦るでもなくごく普通にだ。
「なんでだよ、あ、そうだお前も一緒に歩こうぜ」
友達はニヤニヤしながら私の顔をのぞきこむ。そして愉快そうに言うのだ。
「やめとく、あたしは野暮じゃないもん」
「なんだそれ」
そしてまた登校する小学生2人に戻るのだ。そうしてふて腐れて歩いていると、木と木の間に○○君壮行会または歓迎会なんて横断幕を張って楽しそうにしている花見集団がいたりする。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
私はドキリとする。
「なんでよ」
「だってさ、別れは寂しいけど新しい出会いがあるだろ?」
そう、あなたは遠くしか見ていない。あなたは東京に憧れていた。大都会に思いを馳せるあなたの目は輝いていた。きっとあなたは夢を追って東京にいく。
私は……。東京になんて行く理由が無かった。色々考えてみてもどれもしっくりこない。なのにあなたを追いかけるように東京に行くのもおかしい。だって私とあなたはただの幼馴染だ。
だから今日。私は笑って彼を新幹線に送り出した。何もできなかった。1人で兼六園を歩いた。涙がポトリポトリと落ちる。同じように桜は散る季節を迎えていた。春が終わる。その時、一陣の疾風が吹き荒れた。
激しく散り、渦を巻く花びらを見て何かがこみ上げてきた。私は自分を激しく責めた。
バカだ! 惨めすぎる、こんな私は嫌だ! 春は別れと出会いの季節。そうだ、別れるなら春がいい。私は決めた。惨めで臆病な自分と決別する!
五月晴れで真っ青な空の下、私は今、時速240qであなたに迫っている。 小中学校時代、桜の時期はいつも2人で兼六園を通って学校へ通った。子供の私には下らなかった観光名所も、その時期だけは宝石のように大事な思い出を作ってくれた。でも今、時速240qで思い出が遠ざかっていく。
別々の高校に行った私と拓哉は春になると兼六園で落ち合った。私は雰囲気を作って恋人同士のデート風に持ち込もうと頑張った。
だけどあなたはそんな事はおかまいなしで、小学生の登校となんら変わらなかった。ただ一つ違うのは屋台で買い食い
する事ぐらいだ。そんな時、ばったり友達と会ったりするとさらに最悪だ。
「あれれ、お2人さんデートかな?」
意地悪そうに聞く友達にあなたは否定する。特に焦るでもなくごく普通にだ。
「なんでだよ、あ、そうだお前も一緒に歩こうぜ」
友達はニヤニヤしながら私の顔をのぞきこむ。そして愉快そうに言うのだ。
「やめとく、あたしは野暮じゃないもん」
「なんだそれ」
そしてまた登校する小学生2人に戻るのだ。そうしてふて腐れて歩いていると、木と木の間に○○君壮行会または歓迎会なんて横断幕を張って楽しそうにしている花見集団がいたりする。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
私はドキリとする。
「なんでよ」
「だってさ、別れは寂しいけど新しい出会いがあるだろ?」
そう、あなたは遠くしか見ていない。あなたは東京に憧れていた。大都会に思いを馳せるあなたの目は輝いていた。きっとあなたは夢を追って東京にいく。
私は……。東京になんて行く理由が無かった。色々考えてみてもどれもしっくりこない。なのにあなたを追いかけるように東京に行くのもおかしい。だって私とあなたはただの幼馴染だ。
だから今日。私は笑って彼を新幹線に送り出した。何もできなかった。1人で兼六園を歩いた。涙がポトリポトリと落ちる。同じように桜は散る季節を迎えていた。春が終わる。その時、一陣の疾風が吹き荒れた。
激しく散り、渦を巻く花びらを見て何かがこみ上げてきた。私は自分を激しく責めた。
バカだ! 惨めすぎる、こんな私は嫌だ! 春は別れと出会いの季節。そうだ、別れるなら春がいい。私は決めた。惨めで臆病な自分と決別する!
五月晴れの真っ青な空の下、私は今、時速240qであなたに迫っている。 第四十九回ワイスレ杯参加作品
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只今、四作品!(`・ω・´) 猫のハチの助が死んだ。去年の春、口腔癌を宣告され、手術で取り除いたもののあちらこちらに転移していて、もう手の施しようがないと匙を投げられた。それから一年。
長い闘病生活で八の字眉毛は心なしかしょんぼりして、ガリガリでヨタヨタだったけど、昨日までは食欲もあったしそんな予兆はなかった。
私が起きると、あなたはハチを抱いてリビングに立っていた。
「ハチが逝ったよ」
恐る恐る近づいて触ってみると、まだ温かかった。いったい何故。
あなたがサッシから外に目をやった。隣家の桜の花びらが舞い込んで庭に落ちている。
あなたはそれが嫌だったけど隣家に文句を言った事はない。ただ黙々とほうきで片付けて、ゴミ箱に捨てていた。
昔あなたは私に話して聞かせてくれた。あなたの母親が桜が咲き乱れる中で癌を宣告され、桜が咲き乱れる火葬場で見送った事。
だからあなたは桜が嫌い。桜のある場所はいつも避けて通った。私達は花見に行った事が無い。
なのにこの家を買ったのが秋から冬の間だったから桜の存在に気付かなかった。桜が咲き始めたお隣の庭を見て呆然とするあなたの姿が忘れられない。
あなたは引っ越す事さえ考えたけど、自分の給料ではこれ以上は無理だし、君にも悪いと言って寂しく笑った。
ハチの病気が絶望的だとわかった時「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「なぜ?」と聞くとあなたはこういった。
「悲しい季節は1つでいい、2つも3つもあったんじゃたまらない」
あなたはハチを寝床の籠の中に入れて再び姿勢を戻した。外の陽光に照らされて眼鏡の奥は見えない。悲しんでいるの?
そう思っていると、眼鏡の下から涙の筋が現れた。
「泣いているのね」するとあなたは言った。
「お前は悲しくないのか」
私は猫党じゃないものの、やはり家族として一緒に暮らし、それなりに懐いていたハチが死んだのは悲しい。
だけどそれなりに覚悟はあったし涙は出なかった。
そんな事より病気とはいえ、昨日までは普通に動けていたのに何故突然死んだのか腑に落ちない。
「悲しくないのかぁ!」
あなたは突然激高した。そしてあろう事か私の首に手をかけた。焦った私は抵抗したが体育会系のあなたに文科系の私がかなうはずもない。
「見えるかあの桜がぁ! 悲しいだろう! 悲しくないはずがなぁい!」
手から伝わってくる力であなたが本気だと思った。段々意識が遠のく。
知らなかった。隣の桜がここまであなたを蝕んでいたなんて。 お題のキーワードが予想以上に使いにくくて苦しむの図 第四十九回ワイスレ杯参加作品
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只今、五作品!(`・ω・´) 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「そうだね」と僕は答えた。
はらり、はらりと花びらが舞う庭の池のほとりで、君は静かに佇んでいた。
彼女を最初に見たのは、母の四十九日が終わった春の午後だった。幼い僕が、それ以来思い出したように現れる彼女に抱いたのは、
今思えば慕情だったのかもしれない。
灰青色をした小格子の紬に桜の小袖を着た古風な成りの彼女を、子供のころは近所の綺麗なお姉さんくらいに思っていたのだ、今考
えれ呑気な話だ。そういえば、彼女を見なくなってずいぶんと経った気がする。あのうららかな春の日は何年前の事だろう。
――帝国陸軍発表、昨年八月以降引続き上陸せる優勢なる敵軍を同島の一角に圧迫し激戦敢闘、克く敵戦力を撃砕しつつありしが、
其の目的を達成せるに依り……。
僕が中等学校を出るころに、ずいぶんと威勢のいい話が聞こえてきた戦況も、高等学校に入るころには大人たちの半分はもう勝てる
とも思っていなかっただろう。母を亡くして以来、父親は放蕩の限りを尽くしていて、名家と言われたうちの家も残っているのはせいぜい
屋敷くらいのものだ。
「ヨネ、親父は?」
僕の問いに乳母が黙って首を振る。
「そうか」
また、妾の……といってもどの妾のところかは知らないが、まあそういう事だろうと小さくため息をつく。とはいえ、この戦争のさなか、
こうして学校に行けているというのは、ありがたい話ではある。
戦況が益々切迫し、僕の住む地方都市ですら時折、空襲警報が鳴り響くようになってなお、まだ勝てると喧伝する国家を、内心笑い
飛ばしていた僕たち学生にも、その影は確実に手を伸ばし、それはもはや身分や生まれで逃れる事ができるレベルの話では無くなって
きたある日の事、ふと庭を見た僕の目に彼女の姿が飛び込んできた。
――ああ、なるほどな
なぜだか僕は納得して、引き戸を開けると縁側から庭へと降りた。素足に草履がひやりと冷たく、突き刺さるように感じながら。
「久しぶりだね」そう僕は話しかける。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「そうだね」と僕は答えた。
はらり、はらりと小雪が舞う庭の池のほとりで、君は静かに佇んでいた。
他の学生たちと共に汽車に揺られる。薄いベールのように粉雪が車窓を流れてゆく、そろいの軍服を着て、僕たちは横浜行の汽車に
ゆられていた。見送りにきたのは乳母とその娘がふたりきり。次にあの家に戻る事があるとすれば……いや、そもそも、僕はここへ戻れ
るだろうか……。そして、まだ君はそこにいるだろうか?
「万朶の桜か襟の色 花は隅田に嵐吹く 大和男子と生まれなば 散兵綫の花と散れ」
半分自棄になったように、学友たちの軍歌が響く。 はらりと、冬のこの時期にありえるはずのない、桜の花びらが、僕の制帽から一枚
零れ落ちる。それがあなたの涙のようにおもえて、車窓の景色がゆがんでゆくのを抑えられなかった。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b) 第四十九回ワイスレ杯参加作品
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只今、六作品!(`・ω・´) >「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
この出だしだと一人称でしか書けないので、
三人称で書くのに向いた作品は書けないというわけで、
書き手の意思を束縛してしまっている、もしくは小説を理解していない、ぷぅぎゃああああああは間抜けだ。 >>530
>…とあなたは言った。
で書き始めておきながら
>池のほとりで、君は…
「あなたは」とせず、いきなり「君は」と変えてしまう間抜け >>526
その内容なら、『「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。』を
余韻が残るよう最後の最後に持ってきた方がいい。 >>524
>でも今、時速240qで思い出が遠ざかっていく。
新幹線で故郷を離れようが、別に思い出が遠ざかって行ってはいないだろ。
思い出ってのは、そいつの心の中にあるのだから。
「思い出の校舎が遠ざかる」ならわかるが……
なので、最後に、「私は今、時速240qであなたに迫っている。」とすることが、いささか野暮なオチにしか感じない。 >>530
>今考えれ呑気な話だ。
今考えれば、と書きたいんだろうけど、
おそらく、ぷぅぎゃああああああはしつこく、そういうところにダメ出しして評価を下げると思うw
というか「今思えば慕情だったのかもしれない。」のすぐあとに
「今考えれば」と書くのは繰り返すのは、、露骨にへたくそな文章に思えるわけだけど。 >>530
もう一度言っておく。
「あなたは」「君は」「彼女は」を、「あなた」に統一して書き直せ。
今ならまだ間に合う……かもだw >>543
>>521
>ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める!
従って修正は認めない!(`・ω・´) >>521
というか……
>ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める
ぷぅぎゃああああああの日本語おかしくないか?
ワイが参加作品と書き込む前に??? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています