ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【121】
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オリジナルの文章を随時募集中!
点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!
評価依頼の文章はスレッドに直接、書き込んでもよい!
抜粋の文章は単体で意味のわかるものが望ましい!
長い文章の場合は読み易さの観点から三レスを上限とする!
それ以上の長文は別サイトのURLで受け付けている!
ここまでの最高得点77点!(`・ω・´)
前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する【120】
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1549073894/l50 >>471
で、そのレスで美世ってバレたしな
やっぱりお前はアホ丸出しだわ というか美世が端末複数使ってここでいつもやってるのもバレたな
自演常習者か >>448
オリジナリティーZERO!
掃いて捨てるほどあるような話を短くしただけ
取り消して新しいの書いてください! >>477
横だけど、二作品しか出てないのに配慮がなさすぎじゃね? >>476
複数端末使いや自演がバレバレの美世ちゃん乙 >>451が深夜からの美世端末
>>456がワイハイ参加用の名無し端末
>>457がワイハイ参加用端末のid変えか、もう一つの自演レス用端末
で、>>458が自演失敗した投稿レス
あとは>>471が美世がこのスレで複数端末使いであった証拠レス 証拠はあるだろ
idが変わるとか言いながら、深夜からidが変わってない端末も普通に使ってるのが苦しい言い訳の証拠だしね
結局いつもウソばっかり付いてるから、このようにアホ丸出しなのが色々すぐにバレるんたろな 自作がエントリーされたかどうかはノーコメント
客観的な意見を言う
・自演はしない
特にワイ杯ではいくら自分を褒め称えても無意味
何の評価にも繋がらない
ワイさんに評価してもらった上で上位を目指すのが面白い
風評の流布で評価が上がると考える設定の浅はかさは驚きの一言
・ワイ杯では発表があるまでは絶対に口出ししない
意図しないワイさんの寸評があって、曲解されてると思っても発表まではひたすら沈黙する
ワイさんは評価者であると同時に1読者であるからだ
読者に一回一回意味を説明する事はできないし、そんなのは創作者ではない
・設定は恥ずべき性格の持ち主
浮気をする男が人の浮気を疑うのと同じ
恐らく自演に何の罪悪感も無いんだろう もう1つの理由
俺が昼間に投稿する場合は自宅のPCは使えない
携帯端末ではバイト数がわからなくて文字数が多い傾向にある俺はワイ杯にエントリーしづらい
4098バイトだっけ
そこに滑り込ませる為にはPCを使わなければならない
IDがいちいち替わるのは俺の責任ではない
あと、携帯の機種を先月から変えた所、IDが安定した
だからトリップはつけていない さて設定君
俺は全ての質問に答える事ができる
やってみる? pcだー携帯だーとかごちゃごちゃ言いながら、実際複数の端末で参加作を投稿したりしてるから、言い訳すらもアホ丸出しなんだわな
頭が壊滅的に悪いのがすぐわかるわ 自作がエントリーされたかはノーコメントとか言いながら、めちゃめちゃバレバレだしね
そのバレた原因も、自爆だしさ
結局ガチなアホなんだわな、こいつはさ そのくせ、自分の中だけでは頭が良いつもりでいるから、こういうガイジはタチが悪いんだよね 質問が無いなら君との会話はこれで終了する終了する
頑張って主治医の目を盗んで書き込んでくれたまえ てか、会社のpcで仕事中に参加作を書いて貼るとかもおかしいしな
結局ガイジは言い訳すらもアホみたいなもんしか思い付かないんだろね まあ、エアー会社員だから、逆にそういうアホみたいな言い訳かが思い付くのかもな
まさに、ニートのしょうもない妄想だよな 「うどん粉は相当旨いらしい。俺は楽しみだ」
透明な天井の向こう側から、あなたの背中が喜々として語りかけた。
巨大な葉の上に建てられた1Kルームの集合住宅に、ボクたちは住んでいる。
狭苦しい身動きの取れぬ密集地。辛うじて動かせるのは首のみで、ボクはいつも天井を眺めていた。
兄もまたボクと同じように拘束されている。この硝子のような美しき堅牢な天蓋と障壁は、確かに風よけにはなるものの、鬱陶しく感じる機会のほうが多かった。
「うどん粉かぁ」
何をすることもなく、唯一の自由である口で兄の言葉を反芻した。うどん粉など生まれてこのかた食べたことはない。そもそもボクはまだ食事をしたことがない。
ただ時間が過ぎるのをこの部屋で待つだけの一日。朝日が現れ、ボクたちの部屋を一通り照らしたのち、沈む。まるで悪戯をした子供のように、親の怒りが収まるのを待つ。これは罪か罰か。
ボクたちはもしや愛されていないのではないか。孤独の裁き。逆巻く侮蔑。
雨が降り、風が騒ぎ、雪が崩れる。一定に保たれた部屋がゆっくりと暖かくなる。
「ボクたちはいつか死ぬのでしょうか」
背中越しのあなたに、ぼくは訪ねた。
あなたは一切動かないまま応えた。
「あぁ。死ぬ。必ず死ぬ。病気か寿命か食われるか殺されるか。死ぬ理由はいくつもあるが、理由などどうでもよい」
不安定なせせらぎを押し込めるように、あなたは答えた。
「死ぬのなら……なぜボクたちは生きるのでしょうか」
声を絞る。不安が零れる。
「我々は死ぬために生きている。それが不思議か?」
「ええ。僕にとっては不思議です。あなたは違うのですか」
「いいや不思議だよ。死ぬために生きているとはなんたる不思議か。だがしかし――それは疑問に思ってはならない。追及してはならない。疑問を持てば――我々に意味がなくなってしまうからだ」
「意味がなくなる……のですか」
それ以降彼は答えなかった。ボクはまた天井を見つめる作業へ戻った。
数時間、数日、数か月。どれほど経ったかは分からない。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
それは突然の言葉で、ボクは意味を計りかねた。らしくない、とは思ったが理解できずに目を閉じた。
春が来た。壁は少しずつ溶けていき、堅牢だったはずの硝子たちは水に漬けたようだった。
ボクは勢いよく壁を蹴飛ばした。
渾身渾身渾身。壁には穴が開き、無理くり体をねじりながら外へ出る。
外は、大きかった。
静穏な日光を浴びた。
花信風の匂いを飲んだ。
静かな土煙の音が止んだ。
ボクは振り返り、さっきまで暮らしていた狭い集合住宅を見た。まるで紫陽花を氷に閉じ込めた白き結晶体。
あなたがいた部屋の扉は、ボクと変わらぬ大きさの穴が空いていた。
――あぁもうあなたは巣立ったのか。そんなことを一瞬だけ思案して、胡瓜の葉を強く踏み込んだ。
もう二度と会うことはあるまい。ボクたちはそれでいい。死ぬために生きていると兄は言った。それが正しいのかなんて、今のボクには分からない。
ボクは進化する。なりたい自分に成る。成長する。
正しさなど、そのあとから追い求めればよい。さすれば正しさがついてくるかもしれない。
今存在すべき理由を探すことなど愚の骨頂。
ボクの人生を、ボクが邪魔してはならない。
「別れるなら春がいいね」とボクは呟いた。この世界と離別するのに、冬ではつまらない。秋でも夏でもつまらない。
もっとも命が溢れ流れる春こそ、最後に見る世界に相応しい。
「今を楽しまなければ」
高らかな宣言ののち、きゅうりの葉に繁殖したうどんこを食べだした。
春下旬。少年がきゅうり畑へ現れた。
「ねぇパパ! テントウムシ捕まえた!」
「珍しいね。これはキイロテントウだ。こいつはね、うどんこ菌を食べる益虫だよ。胡瓜の葉に卵を積み上げて生むのさ」
父親は胡瓜の葉をひとつ千切ると、葉の上にのった卵の抜け殻を見せた。
キイロテントウたちの白き集合住宅を覗き込み、少年は屈託なく笑った。 >>502
なんか荒らしてごめん
ワイ杯の参加者は多い程面白いよ >>505
いえいえ。初参加なのでよろしくお願いいたします。 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>448
>>459
>>504
只今、三作品!(`・ω・´) 参加表明はないが! >>508
ワイさん、私が誘った新顔です
ごめんなさいちょっとルールを知らなかったみたいで 新顔というていの新たな自演キャラか
こんなママゴト遊びに必死過ぎてクソワロタ ああ上はかつてこのスレの重鎮だったが亡霊化して誰にも救えなくなった亡者だ
餓死した十字軍兵士みたいなものと思えばいい
気にすんな 神戸牛じゃないのか? それとも玉出の半額肉だったか!?w その通り
なんか書け
俺はお前と違って作品に対して作者のバイアスをかけない
マスクザヒーローでもそうだったろ
お前はウジ虫だが作品は面白かった
書けるなら書けよアホが
ウンコ食ってパワー貯めたらできるんじゃないの?
食えよウンコ
あと、俺を好きすぎるのやめろやバカ
お前のせいでワイスレ杯のルールがヤバイ 相変わらず頭が悪そうな負け犬達がキャンキャン吠えててワロタ おはよう、諸君!
挑戦を続ける者が負け犬になることはない!
一度の負けは教訓となり、次への挑戦の糧となる!
それらしい言い訳で己を慰め、立ち止まった者が真の負け犬である!
ワイスレ杯の作品は土曜日の日付が変わるまで受け付けている!
今までに培ってきた技術を駆使し、気軽に挑戦して貰いたい!
ワイの考え!(`・ω・´) バカ言ってんじゃねえよ!
俺は二回ぐらい一位になってるけどずっと負け犬だよ!
おためごかしをぬかすんじゃねえ! 第四十九回ワイスレ杯のルール!
設定を活かした内容で一レスに収める!(目安は二千文字程度、六十行以内!) 一人による複数投稿も可!
通常の評価と区別する為に名前欄、もしくは本文に『第四十九回ワイスレ杯参加作品』と明記する!
ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める!
今回の設定!
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
この一行に手を加えることなく作中に使用すること!
あなたと平仮名になっているので性別は自由とする!
人間に限定していないので擬人化でも構わない!
別れ話を切り出すのが必ずしも恋人とは限らない!
上位を狙うのであれば、この一行がないと成立しない話がよい!
応募期間!
今から土曜日の日付が変わるまで! 上位の発表は投稿数に合わせて考える! 通常は全体の三割前後!
締め切った当日の夕方に全作の寸評をスレッドにて公開! 同日の午後八時頃に順位の発表を行う!
再度の告知!(`・ω・´) 小中学校時代、桜の時期はいつも2人で兼六園を通って学校へ通った。子供の私には下らなかった観光名所も、その時期だけは宝石のように大事な思い出を作ってくれた。でも今、時速240qで思い出が遠ざかっていく。
別々の高校に行った私と拓哉は春になると兼六園で落ち合った。私は雰囲気を作って恋人同士のデート風に持ち込もうと頑張った。
だけどあなたはそんな事はおかまいなしで、小学生の登校となんら変わらなかった。ただ一つ違うのは屋台で買い食い
する事ぐらいだ。そんな時友達とばったり会ったりするとさらに最悪だ。
「あれれ、お2人さんデートかな?」
意地悪そうに聞く友達にあなたは否定する。特に焦るでもなくごく普通にだ。
「なんでだよ、あ、そうだお前も一緒に歩こうぜ」
友達はニヤニヤしながら私の顔をのぞきこむ。そして愉快そうに言うのだ。
「やめとく、あたしは野暮じゃないもん」
「なんだそれ」
そしてまた登校する小学生2人に戻るのだ。そうしてふて腐れて歩いていると、木と木の間に○○君壮行会または歓迎会なんて横断幕を張って楽しそうにしている花見集団がいたりする。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
私はドキリとする。
「なんでよ」
「だってさ、別れは寂しいけど新しい出会いがあるだろ?」
そう、あなたは遠くしか見ていない。あなたは東京に憧れていた。大都会に思いを馳せるあなたの目は輝いていた。きっとあなたは夢を追って東京にいく。
私は……。東京になんて行く理由が無かった。色々考えてみてもどれもしっくりこない。なのにあなたを追いかけるように東京に行くのもおかしい。だって私とあなたはただの幼馴染だ。
だから今日。私は笑って彼を新幹線に送り出した。何もできなかった。1人で兼六園を歩いた。涙がポトリポトリと落ちる。同じように桜は散る季節を迎えていた。春が終わる。その時、一陣の疾風が吹き荒れた。
激しく散り、渦を巻く花びらを見て何かがこみ上げてきた。私は自分を激しく責めた。
バカだ! 惨めすぎる、こんな私は嫌だ! 春は別れと出会いの季節。そうだ、別れるなら春がいい。私は決めた。惨めで臆病な自分と決別する!
五月晴れで真っ青な空の下、私は今、時速240qであなたに迫っている。 小中学校時代、桜の時期はいつも2人で兼六園を通って学校へ通った。子供の私には下らなかった観光名所も、その時期だけは宝石のように大事な思い出を作ってくれた。でも今、時速240qで思い出が遠ざかっていく。
別々の高校に行った私と拓哉は春になると兼六園で落ち合った。私は雰囲気を作って恋人同士のデート風に持ち込もうと頑張った。
だけどあなたはそんな事はおかまいなしで、小学生の登校となんら変わらなかった。ただ一つ違うのは屋台で買い食い
する事ぐらいだ。そんな時、ばったり友達と会ったりするとさらに最悪だ。
「あれれ、お2人さんデートかな?」
意地悪そうに聞く友達にあなたは否定する。特に焦るでもなくごく普通にだ。
「なんでだよ、あ、そうだお前も一緒に歩こうぜ」
友達はニヤニヤしながら私の顔をのぞきこむ。そして愉快そうに言うのだ。
「やめとく、あたしは野暮じゃないもん」
「なんだそれ」
そしてまた登校する小学生2人に戻るのだ。そうしてふて腐れて歩いていると、木と木の間に○○君壮行会または歓迎会なんて横断幕を張って楽しそうにしている花見集団がいたりする。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
私はドキリとする。
「なんでよ」
「だってさ、別れは寂しいけど新しい出会いがあるだろ?」
そう、あなたは遠くしか見ていない。あなたは東京に憧れていた。大都会に思いを馳せるあなたの目は輝いていた。きっとあなたは夢を追って東京にいく。
私は……。東京になんて行く理由が無かった。色々考えてみてもどれもしっくりこない。なのにあなたを追いかけるように東京に行くのもおかしい。だって私とあなたはただの幼馴染だ。
だから今日。私は笑って彼を新幹線に送り出した。何もできなかった。1人で兼六園を歩いた。涙がポトリポトリと落ちる。同じように桜は散る季節を迎えていた。春が終わる。その時、一陣の疾風が吹き荒れた。
激しく散り、渦を巻く花びらを見て何かがこみ上げてきた。私は自分を激しく責めた。
バカだ! 惨めすぎる、こんな私は嫌だ! 春は別れと出会いの季節。そうだ、別れるなら春がいい。私は決めた。惨めで臆病な自分と決別する!
五月晴れで真っ青な空の下、私は今、時速240qであなたに迫っている。 小中学校時代、桜の時期はいつも2人で兼六園を通って学校へ通った。子供の私には下らなかった観光名所も、その時期だけは宝石のように大事な思い出を作ってくれた。でも今、時速240qで思い出が遠ざかっていく。
別々の高校に行った私と拓哉は春になると兼六園で落ち合った。私は雰囲気を作って恋人同士のデート風に持ち込もうと頑張った。
だけどあなたはそんな事はおかまいなしで、小学生の登校となんら変わらなかった。ただ一つ違うのは屋台で買い食い
する事ぐらいだ。そんな時、ばったり友達と会ったりするとさらに最悪だ。
「あれれ、お2人さんデートかな?」
意地悪そうに聞く友達にあなたは否定する。特に焦るでもなくごく普通にだ。
「なんでだよ、あ、そうだお前も一緒に歩こうぜ」
友達はニヤニヤしながら私の顔をのぞきこむ。そして愉快そうに言うのだ。
「やめとく、あたしは野暮じゃないもん」
「なんだそれ」
そしてまた登校する小学生2人に戻るのだ。そうしてふて腐れて歩いていると、木と木の間に○○君壮行会または歓迎会なんて横断幕を張って楽しそうにしている花見集団がいたりする。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
私はドキリとする。
「なんでよ」
「だってさ、別れは寂しいけど新しい出会いがあるだろ?」
そう、あなたは遠くしか見ていない。あなたは東京に憧れていた。大都会に思いを馳せるあなたの目は輝いていた。きっとあなたは夢を追って東京にいく。
私は……。東京になんて行く理由が無かった。色々考えてみてもどれもしっくりこない。なのにあなたを追いかけるように東京に行くのもおかしい。だって私とあなたはただの幼馴染だ。
だから今日。私は笑って彼を新幹線に送り出した。何もできなかった。1人で兼六園を歩いた。涙がポトリポトリと落ちる。同じように桜は散る季節を迎えていた。春が終わる。その時、一陣の疾風が吹き荒れた。
激しく散り、渦を巻く花びらを見て何かがこみ上げてきた。私は自分を激しく責めた。
バカだ! 惨めすぎる、こんな私は嫌だ! 春は別れと出会いの季節。そうだ、別れるなら春がいい。私は決めた。惨めで臆病な自分と決別する!
五月晴れの真っ青な空の下、私は今、時速240qであなたに迫っている。 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>448
>>459
>>504
>>524
只今、四作品!(`・ω・´) 猫のハチの助が死んだ。去年の春、口腔癌を宣告され、手術で取り除いたもののあちらこちらに転移していて、もう手の施しようがないと匙を投げられた。それから一年。
長い闘病生活で八の字眉毛は心なしかしょんぼりして、ガリガリでヨタヨタだったけど、昨日までは食欲もあったしそんな予兆はなかった。
私が起きると、あなたはハチを抱いてリビングに立っていた。
「ハチが逝ったよ」
恐る恐る近づいて触ってみると、まだ温かかった。いったい何故。
あなたがサッシから外に目をやった。隣家の桜の花びらが舞い込んで庭に落ちている。
あなたはそれが嫌だったけど隣家に文句を言った事はない。ただ黙々とほうきで片付けて、ゴミ箱に捨てていた。
昔あなたは私に話して聞かせてくれた。あなたの母親が桜が咲き乱れる中で癌を宣告され、桜が咲き乱れる火葬場で見送った事。
だからあなたは桜が嫌い。桜のある場所はいつも避けて通った。私達は花見に行った事が無い。
なのにこの家を買ったのが秋から冬の間だったから桜の存在に気付かなかった。桜が咲き始めたお隣の庭を見て呆然とするあなたの姿が忘れられない。
あなたは引っ越す事さえ考えたけど、自分の給料ではこれ以上は無理だし、君にも悪いと言って寂しく笑った。
ハチの病気が絶望的だとわかった時「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「なぜ?」と聞くとあなたはこういった。
「悲しい季節は1つでいい、2つも3つもあったんじゃたまらない」
あなたはハチを寝床の籠の中に入れて再び姿勢を戻した。外の陽光に照らされて眼鏡の奥は見えない。悲しんでいるの?
そう思っていると、眼鏡の下から涙の筋が現れた。
「泣いているのね」するとあなたは言った。
「お前は悲しくないのか」
私は猫党じゃないものの、やはり家族として一緒に暮らし、それなりに懐いていたハチが死んだのは悲しい。
だけどそれなりに覚悟はあったし涙は出なかった。
そんな事より病気とはいえ、昨日までは普通に動けていたのに何故突然死んだのか腑に落ちない。
「悲しくないのかぁ!」
あなたは突然激高した。そしてあろう事か私の首に手をかけた。焦った私は抵抗したが体育会系のあなたに文科系の私がかなうはずもない。
「見えるかあの桜がぁ! 悲しいだろう! 悲しくないはずがなぁい!」
手から伝わってくる力であなたが本気だと思った。段々意識が遠のく。
知らなかった。隣の桜がここまであなたを蝕んでいたなんて。 お題のキーワードが予想以上に使いにくくて苦しむの図 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>448
>>459
>>504
>>524
>>526
只今、五作品!(`・ω・´) 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「そうだね」と僕は答えた。
はらり、はらりと花びらが舞う庭の池のほとりで、君は静かに佇んでいた。
彼女を最初に見たのは、母の四十九日が終わった春の午後だった。幼い僕が、それ以来思い出したように現れる彼女に抱いたのは、
今思えば慕情だったのかもしれない。
灰青色をした小格子の紬に桜の小袖を着た古風な成りの彼女を、子供のころは近所の綺麗なお姉さんくらいに思っていたのだ、今考
えれ呑気な話だ。そういえば、彼女を見なくなってずいぶんと経った気がする。あのうららかな春の日は何年前の事だろう。
――帝国陸軍発表、昨年八月以降引続き上陸せる優勢なる敵軍を同島の一角に圧迫し激戦敢闘、克く敵戦力を撃砕しつつありしが、
其の目的を達成せるに依り……。
僕が中等学校を出るころに、ずいぶんと威勢のいい話が聞こえてきた戦況も、高等学校に入るころには大人たちの半分はもう勝てる
とも思っていなかっただろう。母を亡くして以来、父親は放蕩の限りを尽くしていて、名家と言われたうちの家も残っているのはせいぜい
屋敷くらいのものだ。
「ヨネ、親父は?」
僕の問いに乳母が黙って首を振る。
「そうか」
また、妾の……といってもどの妾のところかは知らないが、まあそういう事だろうと小さくため息をつく。とはいえ、この戦争のさなか、
こうして学校に行けているというのは、ありがたい話ではある。
戦況が益々切迫し、僕の住む地方都市ですら時折、空襲警報が鳴り響くようになってなお、まだ勝てると喧伝する国家を、内心笑い
飛ばしていた僕たち学生にも、その影は確実に手を伸ばし、それはもはや身分や生まれで逃れる事ができるレベルの話では無くなって
きたある日の事、ふと庭を見た僕の目に彼女の姿が飛び込んできた。
――ああ、なるほどな
なぜだか僕は納得して、引き戸を開けると縁側から庭へと降りた。素足に草履がひやりと冷たく、突き刺さるように感じながら。
「久しぶりだね」そう僕は話しかける。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「そうだね」と僕は答えた。
はらり、はらりと小雪が舞う庭の池のほとりで、君は静かに佇んでいた。
他の学生たちと共に汽車に揺られる。薄いベールのように粉雪が車窓を流れてゆく、そろいの軍服を着て、僕たちは横浜行の汽車に
ゆられていた。見送りにきたのは乳母とその娘がふたりきり。次にあの家に戻る事があるとすれば……いや、そもそも、僕はここへ戻れ
るだろうか……。そして、まだ君はそこにいるだろうか?
「万朶の桜か襟の色 花は隅田に嵐吹く 大和男子と生まれなば 散兵綫の花と散れ」
半分自棄になったように、学友たちの軍歌が響く。 はらりと、冬のこの時期にありえるはずのない、桜の花びらが、僕の制帽から一枚
零れ落ちる。それがあなたの涙のようにおもえて、車窓の景色がゆがんでゆくのを抑えられなかった。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b) 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>448
>>459
>>504
>>524
>>526
>>530
只今、六作品!(`・ω・´) >「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
この出だしだと一人称でしか書けないので、
三人称で書くのに向いた作品は書けないというわけで、
書き手の意思を束縛してしまっている、もしくは小説を理解していない、ぷぅぎゃああああああは間抜けだ。 >>530
>…とあなたは言った。
で書き始めておきながら
>池のほとりで、君は…
「あなたは」とせず、いきなり「君は」と変えてしまう間抜け >>526
その内容なら、『「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。』を
余韻が残るよう最後の最後に持ってきた方がいい。 >>524
>でも今、時速240qで思い出が遠ざかっていく。
新幹線で故郷を離れようが、別に思い出が遠ざかって行ってはいないだろ。
思い出ってのは、そいつの心の中にあるのだから。
「思い出の校舎が遠ざかる」ならわかるが……
なので、最後に、「私は今、時速240qであなたに迫っている。」とすることが、いささか野暮なオチにしか感じない。 >>530
>今考えれ呑気な話だ。
今考えれば、と書きたいんだろうけど、
おそらく、ぷぅぎゃああああああはしつこく、そういうところにダメ出しして評価を下げると思うw
というか「今思えば慕情だったのかもしれない。」のすぐあとに
「今考えれば」と書くのは繰り返すのは、、露骨にへたくそな文章に思えるわけだけど。 >>530
もう一度言っておく。
「あなたは」「君は」「彼女は」を、「あなた」に統一して書き直せ。
今ならまだ間に合う……かもだw >>543
>>521
>ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める!
従って修正は認めない!(`・ω・´) >>521
というか……
>ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める
ぷぅぎゃああああああの日本語おかしくないか?
ワイが参加作品と書き込む前に??? >>532のように、参加作品と認定したらもう修正はできず、
認定前なら修正可能ってことか。
いずれにしても、ぷぅぎゃああああああの日本語は貧相だ。 >>526
これなんかでもさ、
>それなりに懐いていたハチが死んだのは悲しい。
>だけどそれなりに覚悟はあったし涙は出なかった。
「それなりに」「それなりに」って、なんで連投しちゃうかなあ。
自ら文章がへたくそなのを露呈してるようなもんだ。
これから投下しようとしてる者は、一度深呼吸して
もう少し時間をおいて読み直してから、書き直すべき場所を見つけたほうがいい。 「別れるなら〜あなたが言った」だと春の謎を相手に持たせるしかなくなるのがね なんか、一人NGにするだけですごくスッキリするスレッドだな、初めて書いたけどw >>550
初めて書いたとか記憶喪失なのか、それとも日ごろから基地外なのかw ぷぅぎゃああああああが書くと、先生扱い。
違う者が事実を指摘すると、NGに…
こういう馬鹿は、麻原のいうことに洗脳されて犯罪する信者と同じだな。 「あなたは」「君は」「彼女は」とか
「それなりに」「それなりに」とか
「今思えば」「今考えれば」とか
こういう稚拙な文章表現で投稿しなければ指摘されずに済む。
それだけのこと。 ぷぅぎゃああああああに採点される前に「より良くするために書き直せ」と善意で言ってやったまでだが、
ワイ杯の主の薄情なぷぅぎゃああああああが、「もう参加作品と認めた後では修正は認めない!」ってんだから残念だったな、ということだけ。 >>554
採点者はワイさんなのでダメ出しのみの上から目線などいらん >>555
正直、言い方はアレだけど、なるほどと思えることは言っている、と思う。 >>556
こういうスレってダメ出しもとめて投稿してるんじゃないのかい?
自慢の投稿作品を貶されたと思って必死なのか?
次回からは、露骨に間抜けな文章にならないように書けば? 布団の中でうつ伏せの状態で目を覚ました時、頭の痛みがやかましいと伊佐希(いさのぞみ)は思った。
目覚まし時計は9時で止まっている。
スマホを見ると15時を回っていて、希はため息を吐いた。大事な講義を逃してしまった。進級が危ういのに。自暴自棄的な気だるさを覚えつつ、
居酒屋のバイトまで時間があるので、もう少し寝ようとして、頭の奥に痛みを覚える。鼓動に合せて鐘がなるような、痛み。
こめかみに手をやると鋭い痛みを覚え、乾いた血の感触から、皮膚が切れているのが分かった。
「あの野郎」呪うような低い声で希が言った対象の『野郎』は泉。パンクバンド『好奇心は狐を殺す(KKK)』のボーカルだ。
緑のモヒカン頭をシェイクしながら歌うざらついた声には独特の伸びがあり、その界隈ではカルト的な人気を誇るが、なんせ泉の素行が悪い。
中学の頃に所属していた暴走族との関係も切れておらず、そのためメジャー各社も二の足を踏んでいるという状態。だがいずれはメジャーデビューを果たし、
音楽番組で歌うのだろうと、希は思っていた。その時のマイクパフォーマンスを楽しみにしていた彼女だったが、ベッドに肘をついて半身を起こて乳房を午後の陽にさらしつつ、
何となしに人の声が聞きたくてテレビのリモコンを押した直後、瞠目した。
フラッシュの中で連行される泉のひょろ長い背、緑に染めたモヒカンが映っていたからだ。罪状は強盗強姦殺人。泉を筆頭とした暴走族の一団が
有原雄一(54)、その妻、有原幸子(44)、娘、有原香澄(20)の一家を襲い惨殺。幸子と香澄からは体液が検出された。
希が驚いた事には、香澄が同じ学部の学生で、しかも何度か席が隣になり、ノートもコピーをさせて貰ったことがあるという。
「あの子を、あいつがやっちゃうかあ」希はベッドにあぐらをかいて、天井を見上げた。再生されるのは昨夜の泉だ。酒に酔っていた。大麻も決めていたと希は思う。
お前もやれよと言われて、実家に臭いでばれるからやだ、勝手にあたしのアパートに大麻なんか持ち込まないでよと、細長い眉をひそめて言ったら、ビール瓶でこめかみを割られて、
そこからセックスタイムに入って、大麻の代わりに度数の高い酒を口移しで流し込まれて、最悪に嫌な事はしないこいつは優しいけどちゃんとゴムつけろよなと
思った所まで、彼女は覚えている。その後は酒で記憶が飛んだのだろう。希はどれだけ頑張っても思い出せない。
代わりに蘇るのは香澄の横顔だ。
ナチュラルメイクが全く映えない地味な顔立ちだが、白菊のような気品のある顔立ちだった。伏し目がちな女の子で睫毛が長く濃かった。
希が講義で借りたノートの最終ページに自作の詩をしたためたりしていて、確認した希はシニカルな笑いが出たものだ。
しかもその詩はかなり夢見る乙女をこじらせたもので、希は香澄にノートを返す時、笑いを堪えるのに苦心したものだ。
「何だったっけ……あの詩」希は目を閉じ、記憶を掘り起こす。
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「裂かれるなら夜がいいね」とわたしは言った。
つがいの獣が片割れをなくすのはいつも夜。
月が命をさらうから。
「春なんか来ないで欲しい」とわたしは言った。
「君と裂かれる位なら僕は世界から春を裂くよ」
とあなたは言った。
下らない詩だ。かなりこじらせてる。でも……。希が香澄の詩を見た夜、彼女は泉に笑いながら、おどけた調子でそれを暗唱した。
その日は泉も機嫌が良く、希は居酒屋バイトの給料日で、一緒に焼肉を食べに行ってビールジョッキを二杯空にして程良く酔っ払ってホテルでシャワーも浴びずに
お互いをむさぼりあって、2人で一眠りして、それから起きた希が浴槽に湯を張って、泉を起こして先に浸かってもらい、膝に乗る形で希も入って背を
彼の胸板に預けて腕をとり、乳房を横から触れさせてウケるんだよウケるんだよマジでマジでと笑いながら、諳んじた時……。
泉は珍しく真顔になって『俺、それシャウトしたいな』と言ったのだ。
……希は目を開き「あいつじゃない。やってない」と呟いた。泉は香澄を殺してはいない。誰を襲っても詩を愛する女を殺したりはしない。
という事は泉は嵌められているという事だ。それをしたのが誰なのか、希は分からない。が、彼女は調べようと思って、小さくくしゃみをした。
裸で考え事をし過ぎて肩が冷えたのだ。まず、服を着ようと希は思った。 >>556
あと、繰り返しになるが、
「採点者はワイさんなので」…そのとおりなので、
ワイ杯でいい結果出せるようにと、ぷぅぎゃああああああに採点される前に
修正をしたほうがいい所を指摘したまで。
その善意が伝わらず残念だ。 >>559
強引だな、どちらかというと一人称で済ませるような内容をわざわざ三人称にして書き、
指定の一人称向けの文句を入れるという強引さ。
その強引さを、ぷぅぎゃああああああがどう評価するかだろうなw >>561
できないと言われると強引にでもやってみたくなるのさw 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>448
>>459
>>504
>>524
>>526
>>530
>>559
只今、七作品!(`・ω・´) >>560
悪い所といい所を同時に言えんのか
だから高飛車で上から目線に見えるんだろ
そりゃ聞く耳とか持てんわ >>560
感想を述べるのは自由だけど、コンペの最中にああしろこうしろと言うのは競技の邪魔
ましてや出題にケチつけるなんて馬鹿の極みだ その音楽家は長いブランクに陥っていた。
往年は数々のヒットを飛ばし、いくつもの賞に輝いた彼がいまは、まるで楽器の弾き方すら忘れたように、音楽の迷子となっている。
「俊さんもうすぐ本番です」
と、ラジオADが俊を呼びに来た。三年ほど前から俊をMCとしてやっている音楽番組である。
「あいよ」
いつもの調子で答えて席を立ったが、ほんの一瞬、俊は自嘲的な笑みを浮かべた。
もはやこの身にひと欠片の音も残していない自分が、どうしてえらそうに音楽を語れるのだろう。これは冒涜だ。もう終えるべきだ。俊のなかで、そんな思いが、日に日に強くなっている。
「いいのかなー!」
もうひとりのレギュラーの拓也が爆笑する。オープニングトークは大盛り上がりで、今日も番組の出だしは快調だった。
「さて、本日のメールテーマは名前ですが、俊さんはなにか名前のエピソードとかありますか」
「特にないかな、曲の歌詞にも名前は……あ、でも」
「でも! もしかして恋愛話ですか!」
「ちげーよ!」
と、俊は大声で笑う。声だけのラジオでは、伝わりやすいリアクションが大事なのだ。
「俺の名前、女みたいだからさ、そういや昔お袋としょっちゅう喧嘩したなって」
「いや、俊なんて女いないっすよ
「芸名だから」
「えーそうなんですか!」
拓也は声のトーンを一段上げる。上手い反応だ。
それからメールを数件読んで、テーマに添った曲を流してから、ゲストコーナーへと移っていった。今日のゲストは『琳人』という詩人の大家であった。
理由は聞いていないけれど、今回の出演は本人たっての希望だという。作品を読んだことはないが、同じ創作者として、俊も彼には少なからず興味があった。
琳人は六十過ぎの男であった。髪はすでに白く染まりきり、眼光強く、どこか傲慢な感じがした。しかし芸術家というのは皆、そういうところを持っている。
トークでは、しばらく詩作りの話をした。それから、機を見計らって、俊は思い切って尋ねてみた。
「ブランクのときはどう対処されますか?」
訊かれて、琳人はなぜか、その質問を待っていたような顔をした。
「ブランクは誰しもがなるものだと私は思う」
その声は、深く染み入るようなものだった。
「私にも経験はある」
急にそこで言葉を切ると、琳人は俊と拓也を見て、
「ちょっと関係ない話をしてもよいかな」
と尋ねた。ふたりは少し驚いたが、すぐに、
「構いませんよ」
と答えた。琳人が自ら語りたがる話に興味があったからだ。
「ありがとう。では話させていただくがーー」
琳人が話し出したのは過去の結婚生活のことだった。
琳人は三十年前に一度だけ結婚をして、わずか一年で離婚している。週刊誌は不倫やDVなど様々な憶測を書き立てたが、琳人は徹頭徹尾、「私の身勝手だ」としか言わなかった。
やはり彼は、いまも同じ言葉を述べていたが、微かに語調が変わった。
「私には捨てた息子がいる」
「えっ捨てた!」
と、拓也が驚きの声を上げる。琳人は悠然とうなずいた。
「言葉を飾っても事実は変わるまい。私は息子を捨てた。自分の身勝手で。離婚したのもそうだ。結婚してわかった。家族は詩作の邪魔だったのだ」
琳人は表情一つ変えずに言った。
「息子はまだ産まれてさえいなかった。あの子の母は、私は死んだと伝えたらしい。それで構わない」
そう言ってから、琳人はふと、今日はじめて表情を崩した。ひどく愉快そうに笑った。
「名前、そう、名前だよ。奇妙なものでね、息子の名付け親は私らしいんだ。私はそんな憶えがなかったから、知らされたとき、驚いて尋ねた。すると彼女は答えた」
ーー 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「私は笑ってしまったよ。それは離婚の話だと彼女もわかったはずだ。しかし彼女はそれを息子の名前にした。ハル、という名に」
「あ、すいません」
と、俊はいきなり謝った。それはボールペンを落としてしまったからだ。
琳人はちらりとそれを見たが、何事も無かったように話を続ける。
「私は己の汚さや愚かさを隠しはしない。私は愚かだが、芸術家としては胸を張って歩いてきたつもりだ。その立場から私は一つだけ芸術家たちに伝えたいことがある」
息をつき、琳人はまっすぐ前を見た。
「お前は素晴らしい芸術家だよ。胸を張れ」
言って、琳人は急に憮然とした顔をして、それきり黙りこんでしまった。
「ありがとうございましたー」
と、拓也が作り笑いで、慌てて場を繋いだ。俊は素知らぬ顔で台本にペンを走らせていた。机の下で音が鳴った。
後日、その番組には珍しいことに何件かのクレームが届く。
MCの鼻歌がうるさいのをどうにかしてくれ、と。 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>563
>>567
只今、八作品!(`・ω・´) 皆さん、すごいですね…
残念ながらわけあって今回は参加できませんが、皆さんの作品楽しみにしています。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています