ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【121】
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点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!
評価依頼の文章はスレッドに直接、書き込んでもよい!
抜粋の文章は単体で意味のわかるものが望ましい!
長い文章の場合は読み易さの観点から三レスを上限とする!
それ以上の長文は別サイトのURLで受け付けている!
ここまでの最高得点77点!(`・ω・´)
前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する【120】
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1549073894/l50 >>662
ワイにはそもそもたいした指導力が無いので、上手くなりたいならよそで勉強したほうがいいよ y自分の思い通りにならないならいっそ壊すまでは読んだ > 今回の設定!
> 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
> この一行に手を加えることなく作中に使用すること!
これが良いと言うなら
ここから作品化する過程を実例として見せて下さいと言っている >>667
それは結局お題の出題者のセンスなだけだから、お題が気に入らないならやらなきゃいいだけね >>667
うるせえな、てめえは。蟹でも食って黙ってろ。 カメラを止めるなはつまらんよね
まあ、ワイとかならこういうのも高評価しそうだけどさ >>671
解く価値のある問題でないと解いても仕方ない訳でしょ
その価値の証明を求めている
それには、お題をから作品を導き出す全過程を示さないといけない
そして出た答え=作品が優れた物ならみんな納得する >>672
お前の方がうるせえよ、星の輝き、夜の闇の深さ >>674
その価値の証明は、このワイハイが終わったあとに出るわけよ
上位も軒並み駄作ばっかりなら、このお題がゴミだったってことね で、そんなつまらんゴミみたいなお題にしたワイも、ゴミみたいなセンスってことになるわけね >>672
ふむ。
蟹でも食ってろ海老蔵が。の方が良かったかも。
蟹食うと黙るよね。 固定するならもっとシチュエーションや、登場人物を固定する
そうすれば固定していない部分の力量差を競える
やる目的が明確ではない
何を競い、鍛えようとしているのか? ワイが五行ぐらい書いて、この続きを書きなさいとかね 蟹はIDを使い分けてるようだ。
分かりにくいから、「蟹」と「海老」のコテで自演しあってくれ。
添削と玉ねぎくんでもいいぞ。
さらばぢゃ! >>686
添削と玉ねぎは同じだぞ
中二には難しいかw 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
そうね。離婚が決まったとはいえ、これから引っ越し先も探さなきゃいけないし、荷物もあるし。暖かくなった頃がちょうどいい。
私は赤ちゃんにミルクをあげながら、そんなことを考える。でも少しぼーっとしていたのかも知れない、迂闊にもつい聞いてしまった。「どうして?」と。
「春という字は、左右対称だから」
それを聞いた瞬間に、血圧が一気に上がりこめかみに血管が浮き出てくるのを感じた。
「この期に及んでまだそんなことを…。あなたがそんな風だから!」
彼が左右対称に拘るのは、今に始まったことではない。出会った頃からずっとそうだった。
宇治平等院と東京タワーが大好きで、スカイツリーは歪んで見えるから嫌い。立っている時は常に直立か仁王立ち、座る時も胡坐はバランスが悪いからと正座だ。自動車の運転席はなぜ真ん中じゃないんだと、乗るたびに文句を言う。ジェット機は機能美の極致。
この人がなぜこんな性格になったのか、その理由はその名前にあった。
『中本甲士』。彼は物心ついた時から自分の名前に誇りを持ち、シンメトリーこそ究極の美、左右対称は正義という信念のもとに生きてきた。
そもそも彼が私を好きになったのも、私が長身で背格好が自分に似ているからだそうだ。二人並ぶと左右対称に見えて気持ちいいらしい。
「一生僕の隣にいてくれ」というのがプロポーズの言葉だった。
私も、未央というごく普通の名前を褒め称えてくれる人など初めてだったので、とても嬉しかったのだ。
新築の家も左右対称だ。キッチンとお風呂の配置はどうするのかと思ったら、どちらも真ん中、1階がキッチンで2階にお風呂になった。あったま良いーと、その時は思っていた。
そんな私が、彼を嫌いになったのは、この子が生まれてから。
美華と名付けられた娘(華という字にずっと憧れていたらしい)に対して、彼は度々文句を言うようになった。いや、決して美華を嫌ったわけではなく、子育ての様子が左右対称でないと言うのだ。
横抱きはバランスが悪いとか、抱っこして並ぶと左右対称にならないとか。
育児疲れもあったのだろう。私は激怒し、同時に彼の性癖が我慢ならないものになった。彼も意固地になり二人の関係はどんどん悪くなって、ついに離婚と相成った。
そして春になり、私は新居に移った。左右対称でない普通のマンションに。
それからは、一人静かに子育てに専念する毎日だ。まだ仕事は無理だけど、貯金はあるので1年くらいはなんとかなるはず。あいつもこれで満足だろう。あの左右対称の家の中で、一人で好きなだけ仁王立ちすればいい。
でも……。
最近、立ち眩みがひどい。
妙にフラフラするし、じっとしていても落ち着かない。歩くのもままならないどころか、ソファに座っているだけで自然と体が傾いてしまう。
子育てと離婚のストレスのダブルパンチで体がおかしくなってしまったのだろうか。私は美華を抱いて、なんとか気力を振り絞って病院へと向かった。
病院から戻ると、マンションの前に男の人が立っていた。
「甲士くん?」 でもその姿は、顔中包帯と絆創膏だらけで、服もボロボロ。壁に寄りかかって立っているのも辛そうだ。
「わああっ、未央ちゃあん!」 彼は私に気付くと、その場に崩れ落ちて泣き叫んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい! 僕が悪かった! 許して!」「どうしたの、その怪我? 何があったの?」
「駄目なんだ。僕はもう、左右対称じゃなくなってしまったんだ」「どういうこと?」
「君と美華がいなくなってから、僕はおかしくなってしまったんだ。左側が空っぽで、まともに歩くこともできない。すぐ転んだり壁にぶつかったり、車道に転がり出て何度も轢かれそうになった」
「そんな、今までも24時間一緒にいた訳じゃないでょ。会社にだって一人で行っていたのに」
「そんな事じゃないんだ! 君がいないと思うだけで、僕は一人で立つこともできない。君が僕の半分なんだ!」
はあ、何だか子供みたい。でもそうね、あなたはずっとこうだった。
「それで? 私にどうして欲しいの?」
「お願いします、戻ってきて下さい。でないと僕はもう生きていけない!」
私だって、きっとそう。いつの間にかそういう体になっていたんだわ。
「いいよ。でも、戻っても左右対称にはなれないよ?」
「大丈夫! あと半年我慢すれば美華も歩けるようになる。そしたら美華を真ん中にして二人で手を繋ごう、それで左右対称だ!」
「半年…そう、秋ね」
「あ、秋? うーん、秋って全然左右対称じゃないんだよな」
まったくもう、あなたときたら。
「馬鹿ね。秋は、実りの季節でしょ?」 問題自体に関する考察が良い加減過ぎませんか?
やる意味のある問題でないといけない 俺が手本見せてやるよ。
ちょうど、星の輝きに、夜の闇の深さが必要なように。
このくらいの名文書けるようになってから出直せ。 結果としての作品より
それを導き出す過程の方が重要だと思いますが
ワナビにとっては
その自分なりの解き方を教えられないんだったら
こういうスレをやってはいけません >>692
いや、君何様だよ? 売れっ子プロ作家さん? 創作の目的は何ですか?
読者を楽しませることでしょう、エンタメの場合
その時に、こういう競い合いに意味がありますか?
ワイをただ一人の読者として、それに認められる作品を書くことに >>693
詐欺商法を咎めるのは一般市民にも可能です
無料だというのは言い訳になりませんね
他人の時間や労力が無駄になるかも知れないんだから 読者を楽しませるという目的が
ワイから良い点をもらうに、摺り変わっている 今回のワイさんの出題だが
ガッチガチに定点固定されていてそれに合わせてどうやって面白くするかの趣旨だ
例えば昭和初期に河を渡す鉄道橋が建設され
その鉄道橋が老朽化したから架けかえたいが路線を止める事は出来ない
ならその橋の横に仮の橋を作りたいが滑らかに通過する為には1q手前から線路を変更する必要があるけどそこは住宅密集地なので100世帯と交渉をするみたいな話
その問題を一個一個潰すのが今回のお題 >>697
そんな高尚なことではないと思いますが
貴方の比喩的な喩えの方が創作意欲を刺激されますね 添削が言ってるのは↓
こんなおしゃれな建物を建てたいんですよー
じゃあコストは10倍ですね
ええ〜、大きさ同じじゃないですか〜
の構図 このスレの目的は正しい文章が書けるようにすることですか?
でも、その先に面白い作品や優れた作品が書けるようにならないといけない訳でしょ
で、ワナビが知りたいのは後者の方ですよね 面白い文章と純文学を一緒にしたらあかんだろ
ここは面白い文章スレだ
純文はシェークスピアの解釈はどうなのか
あと数百年ぐらい議論しとけ >>703
純文学の目的は文学的に質の高い作品を書くことです 言葉の端々と実証された時代背景から言葉の真意を黙々と解明してデータを集める作業ね ゆえに「文学とは何か?」という考察と、
それに対する自分なりの答えが必要 >>706
貴方は何のためにその作品を必要としている?
読者として楽しむためでないならば
そんな人のために作品を提供するのは無意味 >>704
いや違う
純文学は本来の意味を越えて言葉の美しさを求める分野
すなわち人力車をフェラーリ仕様とか
自転車をデコトラにする分野 落語とか漫才は道端で拾った意味不明の道具で人々を幸せにする職人技術 >>710
> 本来の意味を越えて言葉の美しさを求める
まあそれも文学的質の高さの一つではあるでしょう
でも、それが文学の目的の全てではない 今回はハッピーエンド頑張る多いね。
基本何かあって別れかけて復縁。
あとは落ちとして死者が出る感じか。
三人称頑張ったラジオと女子大生殺人は……。
ラジオが完成してる。
女子大生殺人はプロローグ的な感じでワイさんはこういうのを嫌う。
有力なのは俺には分からない。
差がよく分からない。唐突に破滅に至るか、復縁ハッピーエンドの2つしかない
のが読んでて食傷。
復縁ハッピーエンドは飽きるし、唐突バッドエンドはついていけない。
難しいね。今回。 簡単に言えば文学の目的は文学そのものであると言える
ゆえに文学そのものに関する考察が必要なのだ
「文学とは何か?」という問いが あと添削がうざいね。ただ病気なんだろうな。
設定も病気だし。
病原菌みたいな奴らだからなあ。相手すると喜ぶし、会話通じないし、
とりあえず作品の話するのが吉。 >>715
と言いながら添削の相手してる
ツンデレかな? >>716w
てかみんな書いてるんだからさー。
作品の感想いったげよーよー。
無反応ってつらいんだぜ。
面白い作品あった?
良いと思える作品はあるけど面白いのは今回まだ読んでないな。俺は。 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
少なくとも、これは冒頭に持って来ない方が良いな
まあ、最後の方
オチ的な方が良いと思うな けど、難しいよなあ
こっからどう面白くするの?
別れるとか春とかが、まず凡庸だ
あなたは言ったとかね
ありきたり大全集 >>718
今回は日数が足りないから、自分のを書くので精一杯なんだよ
明日提出します >>723
黙って出せよ
明日提出します
なんだそれ、学校の宿題か? お題に関係なく書き進めて
最後お題に連結するのが良いかもな
そしたらありきたり大全集から脱っせるかも知れない お題が基準の競技なんだからお題が悪いということはあり得ない 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
最初にこれを持って来てしまうと
中身がこの凡庸さの支配下になってしまう
何でも良いから書き進めて
最後これにつないだ方が良いと思う >>726
それ、ニートがよく言うやつね
俺が出来ないのは俺のせいじゃないっていう 言い方間違えた
ありえないというよりは存在のしようが無いんだろう 一人称の中でも行動を清泉される難易度の高いお題だぜw その制限をどう回避するかだよな
でないとその凡庸さの影響をモロに受ける
> 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
これをポスターか何かのコピーにするとかね > 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
精神病患者のうわ言にするとか ―別れるなら、春がいいね。
唐突にアデルが言った。その時私達は自動車のシートに収まり、私は支配下にある右手で、本のページをめくろうとしていた。
低くなめらかな声。発声と同時に生じるわずかな振動を私は感じる。そんな気がするのだ。私は視線を右肩に送る。
窓の外を冬枯れした並木が流れていく。
―なんの話?
私は彼が何を言いたいのかわからず訊いた。
―手術の話。この春にしようよ。
私は途端に重苦しく、苦い感覚を味わう。体外からの刺激に反応して脳内を巡るホルモンについて、私は全く無知で、
おそらく理解することもできないが、間違いなくこの感覚は私だけのものだ。この気分をなんとか弟にも共有させてやりたい。
―新しい人生を始めるのにお誂え向きだ。暖かい方が順応にも好都合だし。
アデルは私の弟だ。体の性別は女性だが、本人の主張によって男性だということになっている。
男性型の声帯の為に、その主張は自然に受け入れられている。最近の検査でIQが200あることが判明した。
私に対してやや高圧的、管理的かつ批判的なのは、そのせいなのだろう。わたしはそんなに頭が良くないから。
彼は彼の支配下にある左手で本を閉じた。
―結論を出すべき時だよ。姉さん。
私はため息をつき、彼は足を組み替える。忌々しいことにこの二本の足は彼のものだ。
―私は嫌よ。生憎だけど。
アデルは冷ややかな笑顔を浮かべる。こんな時、必ず口の左端を持ち上げるのは、私に見せつけるためだろう。
―どうして?姉さんは僕のこと嫌いだろう。
―ええ、大嫌い。その澄ました顔も、なんでもわかってます、みたいな物の言い方もね。気に食わないわ。
―じゃあ、いいじゃないか。僕たちのどちらも損はしない。この体に対する親和性は僕のほうが高い。僕を切り離せば姉さんの命が危うい。
―するわよ。この体は私のものでもあるのよ、自由になるのが右手だけでもね。あんたには渡さない。
―同意しなよ。僕はもう双頭のバケモノとして生きるのはゴメンだ。指さされ、顔を背けられ、憎まれ、憐れまれる。
女の体も我慢ならない。不潔極まりなくてね。この体でいいことって言ったら、マスターベーションする時ぐらいじゃない?
―私は女なんだから、この体が自然なの。もう少ししたら、人工授精で妊娠してやる。男は分娩痛で死ぬらしいけど、試してみる?
私は歯を剥き出しにして笑って見せる。アデルは心底うんざりした表情でかぶりを振った。
アデルは私を切り離したあと、性転換するつもりだ。新しい男の体で本物の女とセックスしてみたいのだそうだ。
現代の技術をもってすれば手術が成功する確率は極めて高い。アデルはすでに人工人体、いわゆる擬体の研究者として地位を確立している。
実際のところ、私達の生命を保つ為の費用は、彼のおかげで賄われている。彼が仕事をしている間、私は(カロリーの節約も兼ねて)眠っているのだし。
―姉さんを殴って黙らせることも可能なんだがね。
―あんたの首を締めることだってできるのよ。
私はどうなるのか。アデル(と医師団)によると、私はデータ化され、完全な全身擬体が開発されるまでコンピュータの中で生きることになるのだという。
もし研究が順調に進めば、先に頭部を手に入れることは可能かもしれないとか。冗談じゃない。
私は腹が立った。
私はオートドライブをオフにするとハンドルを切ってアデルの左手を抑えた。車が車線を越える。
血相を変えたアデルがブレーキを踏み、車は反対車線にはみ出して止まった。幸い、対向車はない。
―何をするんだ!
アデルが怒鳴るのは珍しい。
―一蓮托生なのよ、あたしたちって。
―やれやれ。
気の抜けた表情でシートにもたれたアデルが車をスタートさせ車線に戻そうとしたその時、衝撃が私達を襲った。
スローモーション。ガラスにヒビが入って砕け、ドアが圧し曲がる。驚愕するアデルの顔。
気がついた時、私は病院の白いベッドの上にいた。シーツも壁も天井も白い。肩に巻かれた包帯だけが赤茶けていて、右腕はなかった。
突っ込んできたのは、老人がマニュアル操作する車だった。事故を防ぐための方策は様々取られているのだが、人の行いが理解を超えることは、あることだ。
―責任は姉さんに取ってもらうよ。何しろ僕の姉さんだからね。
ラボ。アデルはパームトップ・デバイスの中から指示を出す。ディスプレイに表示された彼は至って不機嫌そうだ。
私はデバイスを操作することさえもどかしい。私のものではなかった私の体はなかなか思い通りに動かないからだ。長いリハビリが必要なのだ。
―姉さんは僕のボディだ。いや、バディと言うべきか。
いつか私達は本当の姉弟になれるだろうか。 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>563
>>567
>>688
>>737←お題を少し無視しているので加点は少ない!
只今、十作品!(`・ω・´) 森教授。「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。陳腐な言葉だ。「蟹を食べに行くなら北陸がいいね」位にどうでも良い。
が、教授。全くあなたは……人を馬鹿にするにも程がある。そんな事を言っていたあなたが、何故秋に自殺をするんですか。
(この世と)別れるなら春がいいね、と静かに覚悟を決めていたのではないのですか。いくら癌が進んでいたからといって、
車椅子の奥さんの介護を僕に押し付けて自殺とか、あまりにも無責任ではありませんか?
……と、心の中で呪詛を喚きながら、僕はタクシーを降りてトランクに回り、車椅子を取り出した。
後部のドアは開いて、森教授の未亡人である秋江さん(65)の顔が覗く。視線は秋の雨に湿って変色した落ち葉に落ちている。不安が窺われる顔色だ。
僕は運転手に手伝って貰って、秋江さんの体を車椅子にずらした。
ほっそりとした顔の人だがおなか周りの肉付の良さのために体重があり、気を抜くと腰をやられそうだ。ギックリ腰には気をつけなければならない。
が、この状態も春までだ。春になれば僕はプリンストン大学院への留学する。手続きは全て済んでいるし、卒業に必要な単位は前期に全て取ってしまった。
全ての報告のために森教授の部屋を訪れた僕に、彼はおめでとうと言ってくれた。
「自分も今月で退官だよ」とも。まだ66歳の教授だが、持病が悪化して車椅子になった奥さんの介護のために退官をするという。
療養のために空気の良い長野の別荘で過ごすが、長年頼っていたお手伝いさんも調子を崩してしまい、次の人が見つかるまでのつなぎとして、
春まで教授の別荘でアルバイトをしないかと笑顔で言ってきたのだ。僕はその笑顔に騙されて了解してしまった。
まあ、春の渡米まで暇だったし、何より長野の別荘には教授の書庫があると聞いていた。お手伝いをしながら覗かせて貰うのも良い。
思いをはせる僕の前で、教授はにっこりと目じりの皺を深くして笑った。それから「別れるなら春がいいね」と言ったのだった。
その秋口に彼は自殺。お手伝いさんはまだ見つかっていなかった。そんな状態で遺された秋江さんを見捨てる訳にもいかず、僕は彼女と共に長野に来た。
長野に来るのが彼女の希望でもあった。
別荘は軽井沢の綺麗な小川のほとりにあった。高級感溢れる土地だが、駅前の商店街は寂れている感じがした。避暑シーズンが終わっていたのも原因かも。
が、どれだけ寂れても軽井沢は貧乏学生の僕には別世界だった。
秋江さんとの生活が開始するにあたって訪れた商店街で、僕は花屋さんの入り口傍のガラスの奥で
作業をする綺麗な女性店員さんに目が釘付けになった。
ふとした弾みで視線が交差。僕はとんでもなく照れて、はにかみながら店に入って、これを下さいと、カランコエという多肉植物の鉢植えを購入。
ついでに育て方について色々聴こうという打算が下半身から生まれたが、奥から旦那さんらしき男性の声が彼女の下の名前を呼んだので、ちょっとがっかりした。
持ち帰ったカランコエを、秋江さんは喜んだ。鉢植えを手にとって色々な角度から眺める彼女の姿はほほえましかった。
カランコエ自体は秋口に蕾をつけ、程なくして花開いた。この時にはすっかり秋江さんの介護に慣れていた僕は、簡単なご飯を作り、毎日お風呂に入れてあげて、排泄も手伝う。
僕はこの業務に厳粛な気持ちで臨んだ。その他の時間は書庫に収められた原書を漁る。これが一番楽しい。こういう時、秋江さんは僕を呼ばず、編み物をしていた。
薪暖炉の炎で暖められた空間を満たす音楽はヴィヴァルディの冬。それは教授の古いレコードから流れ、時々傷によって音が途切れた。
そして雪深い2月の朝。秋江さんが声を挙げた。カランコエの鉢におまけでついてきた蝶の卵がさなぎを作った果てに、羽化をしたのだ。
それは変哲のない白い蝶だった。弱弱しく羽根を広げる蝶に、水を入れた皿をともしながら、僕は不器用な虫だと思った。
冬に生まれた蝶。秋江さんのために温かく保たれた室内だからこその羽化。でもそれは早すぎる。今羽化しても、長くは生きられないだろう。
……けれど。秋江さんの横顔をちらりと見た僕は、できるだけ生かしてあげようと思った。秋江さんが涙ぐんでいたからだ。彼女は僕よりも先に卵に気づき、
毛虫からら蛹になるのを見守り、羽化をまっていた。そんな彼女のためにも、もしこの蝶が僕がここを去る日までに生きていたら、
白樺の木立の向こうの花畑によって、放してあげようと思ったりした。
それが僕と秋江さんとの、そしてこの蝶との、理想的な別れだと思ったからだ。
そう。別れるなら春がいい。僕は故人である森教授の言葉に同意をした。 >>723
>>739
を励ましの意味で書いたよ。楽しんでくれたら嬉しい。 森教授。「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。陳腐な言葉だ。「蟹を食べに行くなら北陸がいいね」位にどうでも良い。
が、教授。全くあなたは……人を馬鹿にするにも程がある。そんな事を言っていたあなたが、何故秋に自殺をするんですか。
(この世と)別れるなら春がいいね、と静かに覚悟を決めていたのではないのですか。いくら癌が進んでいたからといって、
車椅子の奥さんの介護を僕に押し付けて自殺とか、無責任過ぎませんか?
……と、心の中で呪詛を喚きながら、僕はタクシーを降りてトランクに回り、車椅子を取り出した。
後部のドアは開いて、森教授の未亡人である秋江さん(65)の顔が覗く。視線は秋の雨に湿って変色した落ち葉に落ちている。不安が窺われる顔色だ。
僕は運転手に手伝って貰って、秋江さんの体を車椅子にずらした。
ほっそりとした顔の人だがおなか周りの肉付の良さのために体重があり、気を抜くと腰をやられそうだ。ギックリ腰には気をつけなければならない。
が、この状態も春までだ。春になれば僕はプリンストン大学院への留学する。手続きは全て済んでいるし、卒業に必要な単位は前期に全て取ってしまった。
全ての報告のために森教授の部屋を訪れた僕に、彼はおめでとうと言ってくれた。
「自分も今月で退官だよ」とも。まだ66歳の教授だが、持病が悪化して車椅子になった奥さんの介護のために退官をするという。
療養のために空気の良い長野の別荘で過ごすが、長年頼っていたお手伝いさんも調子を崩してしまい、次の人が見つかるまでのつなぎとして、
春まで教授の別荘でアルバイトをしないかと笑顔で言ってきたのだ。僕はその笑顔に騙されて了解してしまった。
まあ、春の渡米まで暇だったし、何より長野の別荘には教授の書庫があると聞いていた。お手伝いをしながら覗かせて貰うのも良い。
思いをはせる僕の前で、教授は目じりの皺を深くして笑った。それから「別れるなら春がいいね」と言ったのだった。
その秋口に彼は自殺。お手伝いさんはまだ見つかっていなかった。そんな状態で遺された秋江さんを見捨てる訳にもいかず、僕は彼女と共に長野に来た。
長野に来るのが彼女の希望でもあった。
別荘は軽井沢の綺麗な小川のほとりにあった。高級感溢れる土地だが、駅前の商店街は寂れている感じがした。避暑シーズンが終わっていたのも原因かも。
が、どれだけ寂れても軽井沢は貧乏学生の僕には別世界だった。
秋江さんとの生活が開始するにあたって訪れた商店街で、僕は花屋さんの入り口傍のガラスの奥で
作業をする綺麗な女性店員さんに目が釘付けになった。
ふとした弾みで視線が交差。僕はとんでもなく照れて、はにかみながら店に入って、これを下さいと、カランコエという多肉植物の鉢植えを購入。
ついでに育て方について色々聴こうという打算が下半身から生まれたが、奥から旦那さんらしき男性の声が彼女の下の名前を呼んだので、ちょっとがっかりした。
持ち帰ったカランコエを、秋江さんは喜んだ。鉢植えを手にとって色々な角度から眺める彼女の姿はほほえましかった。
カランコエ自体は秋口に蕾をつけ、程なくして花開いた。この時にはすっかり秋江さんの介護に慣れていた僕は、簡単なご飯を作り、毎日お風呂に入れてあげて、服薬の補助に加えて排泄も手伝う。
僕はこの業務に厳粛な気持ちで臨んだ。その他の時間は書庫に収められた原書を漁る。これが一番楽しい。こういう時、秋江さんは僕を呼ばず、編み物をしていた。
薪暖炉の炎で暖められた空間を常に満たす音楽はヴィヴァルディの冬。それは教授の古いレコードから流れ、時々傷によって音が途切れ、そういう時に限って、秋江さんは
持病の疼痛にうめいた。
そして雪深い2月の朝。秋江さんが声を挙げた。カランコエの鉢におまけでついてきた蝶の卵がさなぎを作った果てに、羽化をしたのだ。
それは変哲のない白い蝶だった。弱弱しく羽根を広げる蝶に、水を入れた皿をともしながら、僕は不器用な虫だと思った。
冬に生まれた蝶。秋江さんのために温かく保たれた室内だからこその羽化。でもそれは早すぎる。今羽化しても、長くは生きられないだろう。
……けれど。秋江さんの横顔をちらりと見た僕は、できるだけ生かしてあげようと思った。秋江さんが涙ぐんでいたからだ。彼女は僕よりも先に卵に気づき、
毛虫から蛹になるのを見守り、羽化をまっていた。そんな彼女のためにも、もしこの蝶が僕がここを去る日までに生きていたら、
白樺の木立の向こうの花畑によって、放してあげようと思ったりした。
それが僕と秋江さんとの、そしてこの蝶との、理想的な別れだと思ったからだ。
そう。別れるなら春がいい。僕は故人である森教授の言葉に同意をした。 冒頭にお題を持ってくるのはさっさとお題を消化したい欲がみえて好きじゃないなぁ >>742
それは理解出来るけど、最後に持ってくると始めから落ちが見えているようでつまらない
ならば、途中に挟むのが最適か 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>563
>>567
>>688
>>737
>>741
只今、十一作品!(`・ω・´) >>718
結局つまらんしドヘタしか居ないから、そもそも読まれてないか、無関心になるだけなんだろ
つまりは、叩く価値すら無いようなゴミレベルの駄作だってことだな 第四十九回ワイスレ杯のルール!
設定を活かした内容で一レスに収める!(目安は二千文字程度、六十行以内!) 一人による複数投稿も可!
通常の評価と区別する為に名前欄、もしくは本文に『第四十九回ワイスレ杯参加作品』と明記する!
ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める!
今回の設定!
「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
この一行に手を加えることなく作中に使用すること!
あなたと平仮名になっているので性別は自由とする!
人間に限定していないので擬人化でも構わない!
別れ話を切り出すのが必ずしも恋人とは限らない!
上位を狙うのであれば、この一行がないと成立しない話がよい!
応募期間!
今から土曜日の日付が変わるまで! 上位の発表は投稿数に合わせて考える! 通常は全体の三割前後!
締め切った当日の夕方に全作の寸評をスレッドにて公開! 同日の午後八時頃に順位の発表を行う!
三度の告知!(`・ω・´) 今日が投稿の最終日! 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
オレ様は55歳の童貞でファーストガンダムファンだけど、
アニメ見るときはいつもズボンをおろしちんぽしごく。
Bパートのクライマックスのとこで射精するのって気持ちいいぜ。
ガンダムファンならガンプラ片手にアニメ見ながらちんぽしごくのは常識。
女とセックスするよりリアル 、正直、女なんて要らない。 第四十九回ワイスレ杯参加作品
>>563
>>567
>>688
>>737
>>741
>>748
只今、十二作品!(`・ω・´) 一番大事なのはどう面白くするかであって
面白くするためには人と違うことをしないといけない
予想外、意外性というかね 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
このお題物であることは(ここの)読者にはわかっている訳だから
どこでどう出て来るんだろう?というのは一種の引きになる 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
今は夏の真っ盛りだが。
これでもう意外性が出る 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った
ここは常夏の南の島だが 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
この凡庸な一節からどう意外性を引き出せるかだ 冒頭に持って来るんなら、すぐ意外性につなげないといけないよな
でないと読者を引っ張れない 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
今は過ぎ去った、遥かはるか遠い昔に。 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
「別れるなら秋がいいね」と俺は言い返した。 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
ほとんど聴き取れるかどうかの微かな声で。
けど、あなたつーのは難しいよな
これ以後もあなたでないといけないのか? 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
これでもう文体まで規定されてしまうはずだが
そんなの関係なしに自分本来の書き方で
好きなように書いているだけだよね
結局、自分の小説ショーな訳だ
このワイ杯というのは 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
溌溂として、春の陽のような表情でした。
でも、その表情の裏に、あなたが莫大な借金を抱え、苦心している事を私は知っておりました。
いつかその秘密を打ち明けてくれると信じておりました。
それがよもや、秘密が打ち明けられぬまま、春の別れを告げられようとは思いがけませんでした。
借金は厭くまでも自分だけの不幸とし、心に収められるのですね。
その心遣いには、敬愛の念を抱きながらも、どこか寂しくも思います。
あなたの元に嫁ぐ時には、もうあなたと共に生きてゆこうと決心しておりました。
あなたの不幸とは、私の不幸であると思っておりました。
ですから、あなただけの不幸と考えず、どうかその苦しい胸の内を、私にも打ち明けて下さい。
それだけが私の最後の望みであります。
別れを予告された日より幾日が過ぎ、冬の寒さも随分と和らいだ。もう間もなく春である。
出会いの春、妻にとっては別れの春である。そう思うと、妻の胸には痛切な悲しみが込み上げてきた。
結局、妻の願いは空しく、未だに夫から秘密を打ち明けられることはない。
ふと庭先を見ると、裸であった木々に若葉が芽吹き、近づきつつある春の足音が感じられた。遠ざかる冬の足音でもあった。
あなたは、お前は本当にいい妻だった、と仰いましたね。
それは何を持って仰られたのですか?
私の体がですか、心がですか、それとも所作がですか?
本当の私を顧みないあなたから「いい妻」と称賛される事ほど、空虚な言葉がありましょうか。
あなたが「いい妻」と称賛されるのは、私の体裁であって、本当の私ではございません。
結局、貴方は一度も、本当の私と真剣に向き合うとなさらなかったのですから。
短い結婚生活でありましたけれど、あたなとは一度も本当の夫婦に成れなかったような気が致します。
本当の夫婦になれず、関係を解消される事が、悔しくて堪りません。
せめて別れる前に、一度だけでも本当に夫婦のように、その苦しい胸の内を打ち明け、私と向き合ってみませんか。
私から、その秘密に触れる事も出来ますが、あなたが今日までひた隠しお気持ちを考えますと、それは憚れるのです。
怖いのです。
麗らかな春陽が差し込む朝、妻は目を覚まし、夫がいつも寝ているはずの隣のベッドを見た。そこに夫の姿はなかった。夫は家を出たのだとすぐに理解した。
夫のベッドに寄り、枕に触れると、まだほんのりとその温もりが残っていた。先ほどまで確かにこの場所で、あの人は寝ていたのだ。
夫の残り香が鼻先に触れると、一時に短い仮初の夫婦生活の記憶が蘇った。悔恨と悲愴が胸を貫いた。ーーああ、あなたはもういないのですね。
乱れ足でリビングに行くと、テーブルの上にいつ用意したのか、離婚届が置かれていた。夫の欄はすべて記入されてあった。春に向けて、夫はここまで準備していたのだ。
震える手で離婚届を取り、夫の最後の書置きをじっくり確認しようとした。
離婚届の下にもう一枚、見知らぬ書類が置かれているのに気付いた。
借用書と記され、今まで数えた事のない莫大な金額が記載されており、連帯責任者の欄には妻の名が明記され、印がしっかりと押されていた。
夫は春と共に逃げ、書面を通し妻に全て打ち明けのだった。
「ひえぇぇーー!!」 妻は発狂した。 第四十九回ワイスレ杯参加作品
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只今、十三作品!(`・ω・´) >>763
> 「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
> 溌溂として、春の陽のような表情でした。
お題が春で、春の陽のようなじゃ意外性無い
「でも」以後文体が変わっちゃってる
つーか2行目からもうおかしい つーかお題がムリゲーなのか?
あなたじゃ手紙文みたいになっちゃうよな 結局書く動機が「自分」を垂れ流しにしたいだけだから
こういう気持ちの悪い物になる
読者のためという基本が徹底されないといけない ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています