「「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。」

「よし、これで決まりね」
「おい、ほんとにそのセリフでいいのか?」
「いいんじゃない?だってこの子は春が好きって設定だったでしょ?」
「いやそりゃ確かに、設定にはあってるが、このシーンは一番の目玉シーンだぜ?そんなへんてこなセリフで良いのか?」
「そうはいっても、あなた全然案を出さないじゃない」
「いやだって、俺は恋愛とかしたことないしさぁ...」
「というかへんてこって何よ!哀愁がある良いセリフじゃない!」
「へんてこはへんてこだろ!別れを切り出すシーンで、なんで今じゃなくて春に別れようなんてセリフ言うんだよ!」
「はぁ?女の子が好きな人に別れを切り出すのよ!未練があるに決まってるでしょ!!」
「いやこの主人公が駄目だから愛想ついてって展開だろ!そんな未練とかないに決まってるって!」
「バーカ!マジでバーカ!アホ!」
「なにがだよ!」
「分かってないの!?ほんとに女の子と付き合ったこともないのね!いい?女の子ってのは一度好きになった男には、最後まで好きでいたがる性質なのよ!」
「うそつけ!お前も付き合った経験がないから漫画の知識で喋ってるだけだろ!」
「うるさい!女の子はピュアでかわいいものなの!」
「お前がまずピュアじゃねーじゃねーか!」
「ふん!何も案を出して無いくせに!」
「それさっき言っただろ!」
「分かった!じゃあ聞くね!」
「あ?なんだよ?」
「私より良い案を出してみて!今すぐ!」
「おまっ、それはちょっと...」
「やっぱりあんたの方がセンスないじゃない!早く!」

「落ち着け、落ち着けって...よし、良い案が考え付いた」
「へえ、私を越えられるとは思えないけど」
「見てろよ、よし!

「別れるなら夏が良いね」、これだ!!!」