「別れるなら春がいいね」とあなたは言った。
わたしはちょうどその時
大根のへたを包丁で切り落としていたのだが、
何でそんな事を言うんだろう?
納豆に砂糖を混ぜてほーら甘納豆だよーと言って食べさせたのが原因だろうか。
男の心は胃袋でつかむ。ちなみに女は子宮らしい。これは13年前にスクーターで
皆で蛇行運転をしていた時の。

包丁を壁に刺した。柄は逆手に持っていた。
もう片方の手はあなたの喉をわしっとつかむ。
顔をうつむかせたまま、
わたしは逆壁ドン(使用:包丁)を続ける。
「ねえ何でそんな事言うの?あたしあなたに
いくら貢いだと思ってるの?
エッチだって毎晩させてあげてるじゃない。
最近ずっとあたしが上でしょ。
別れるなら春がいいねって何気取ってんの?
いい加減ちゃんとしてよ。
あなた別れる別れないの前に貸したお金返して。というか仕事してよ。
水商売って大変なのよ。誰の為に好きでもない男のちんぽを毎日
30本もしゃぶってると思うの?」
「あ、ええと……」
「いや。違うんだ。台本だよ台本。ほら。
演出家がくそでさ。
今時こんな台詞言わせるかよってさ。ほらほらここ。これ。
な? こんなの書いて良いのは谷崎潤一郎位だけどさ。
あいつ意識高い系きどってっからさ……」
あなたの言葉は続いた。
床に転がる台本を見やる。ひかれる赤線。
嘘は言ってないのだろう。
わたしはあなたの言葉より、話の長さに腰の奥が続々した。
そのままあなたを押し倒し、ズボンとかあるパンティーを脱ぐ。
それからあなたの顔をまたぐ形で仁王立ち。
そのままあなたの顔にしゃがみこんだ。
「なめて」
「え」
「なめてもらうなら今が良いの」とわたしは言った。