>>329
>鬼神は、そのまま、木を飛び移りながら、森へと消えていった。
 呆然と見送るアレク。
 呆然としていたのは、アレクだけじゃない。
 俺も、ルイジェルドも、シャンドルも、目を丸くしていた。
そして、一人残った。
アレクが一人。
俺と、エリスと、ルイジェルドと、シャンドルと、ザノバと、ドーガと、アトーフェに囲まれて、残った。
あまりに呆気なく。
あっけなく、鬼神は帰ってしまった。
「さぁ、敵は一人だ!」
「お、お祖母様……」
敵に回った父。
話の通じない祖母
同情すらも禁じ得ない状況。
呆気なく、毒気を抜かれ、どうしようかという空気。
だが、この場には一人だけ、そんな空気を読まない人間がいる。


さすがにこれで意識は割いてないでしょ