肉質厳選していて高い熟成管理技術を経て柔らかく焼き加減も工夫され精練されたビフテキが実は高度な文明的肉料理で、ミンチ肉は逆に割と古い技術だってのがあんまり知られてないからね
昔の肉は熟成も一定せず未熟だったり、肉質自体も部位厳選が甘く固かったり、寄生虫問題や生焼け問題なんかもあったし、肉の中に旨味を閉じ込めてとかもそんなのも考えてなかった
ビタミン補給の兼ね合いで野菜などの収穫が乏しい地域では生で食うのも割と平気だった(ドイツのメット、モンゴルの生羊肉、イヌイットの生アザラシ肉、フランスの生タルタル、馬刺し、生肝臓など)
むしろ絞めたてや熟成を考えずに冷暗所で保存した肉を悪くなる前にどうにか食おうとミンチにしたり薄く切ったり塊焼きにして中を柔らかくしようとしたり、何度も焼き直したり
steik(シュラスコやシシカバブみたいな串焼肉の事で焼いてから切り落としたりもする)、ローストや煮込みなど様々な調理法で食べてた
中世以前からあるとされる調理法は割とレパートリーがあったし、逆に現代で言うビフテキとかはわざわざ調理難度をあげて硬い肉にしかねない訳のわからん調理法だった訳だ
レア、ミディアム、ウェルダンとか言い出してビフテックという言葉が出てくるのは19世紀で、その前進のbeafsteakが初登場するのも18世紀
洒落たステーキ屋だとビフテック(ビフテキ)と言ったり老舗ビフテキ屋が割と歴史浅いのもそのせい
なんだけど、何故かステーキはあるのにハンバーグがないとかが結構あってんん?となることも多い
潰したりローストする方が調理としては原始的なんだ