https://www.huffingtonpost.jp/2015/10/25/google-employee-box-truck-parking-lot-rent_n_8382256.html

サンフランシスコに暮らすGoogleのあるソフトウェアエンジニアが、家賃節約のためトラックで生活し注目を集めている。

ブランドン(本人の希望で名字の公表は差し控える)はグーグル・キャンパスの近くにトラックを駐車している。
マサチューセッツ大学アマースト校を卒業した23歳の男性で、2014年に夏季インターンとしてグーグルに入社した。
当時の彼の引っ越し先は2ベッドルームの完全家具付きアパートで3人のルームメイトがいた。
そのアパートに住んでいた当時、1泊約65ドル(約7800円)を支払っていたと彼はハフポストに語った。
月額にするとおよそ2000ドル(約24万円)の計算だ。

「そのアパートに暮らしている当時、法外な家賃を支払っていることに気が付きました。しかも、私はほとんど家にいることはありません」
と彼は今週初めにビジネスインサイダーのインタビューの中で語った。

2015年、ブランドンがグーグルの正社員となることを決めた時、
トラックを購入すればベイエリアの高額な生活費の大幅節約に役立つだろうと判断した。
彼のブログ『Thoughts From Inside the Box(箱の中で考えたこと)』によると、彼は5月に走行距離約25万3000kmの2006年フォードE350を1万ドル(約120万円)で購入したという。
ブログには彼の生活費が時系列で記録されている。

車両保険は月額121ドル(約1万4520円)。電気代は支払っていない。
シャワー、プール、携帯機器の充電はグーグル・キャンパス内で利用できる。
Googleで働いてるのにトラック生活。なんで?(意外な現実)

「職場のキャンパス内のすべてのビルに24時間入れるキーカードを持っています」と彼は記している。
加えて「夜7時半以降は何も飲食しないようにしています。夜は体を洗ってトイレへ行ってからトラックへ向かいます」

トラックに開いた穴や虫の発生などのいくつかの不便さを除けば、ブランドンの生活はうまくいっている。
8時半か9時頃までのほとんどの時間を友達と出かけるか、個人プロジェクトの作業に費やしているのが大きな理由だ。
Googleで働いてるのにトラック生活。なんで?(意外な現実)

「この経験から学んだことは、私が家の中で必要としていたのはベッドだけだったということです。
もし、私が一日中ここで過ごすのであれば、このやり方ではだめでしょう」と彼はブログに書いている。

それでも、彼は静かな公園で友人らと「ハウス・ウォーミング(引越し祝い)」ならぬ「トラック・ウォーミング」パーティの開催を果たした。
Googleで働いてるのにトラック生活。なんで?(意外な現実)

ブランドンの見積もりでは、職場近くのワンルームアパートを借りていたら、月に2180ドル(約26万1600円)支払っていたことになる。
彼はトラックに引っ越して以来、家賃分で節約した純貯蓄を算出する計算式を作り出した。
彼の計算によれば、今週、彼の支出額と節約額が同額になり採算が取れた。
今月23日の朝の時点で、彼の純貯蓄額は325ドル(約3万9000円)を超え、その額は毎時間増加している。

ブランドンの説明では、ブログは当初、彼の経験を記録して友人や家族に見せるためのものだった。
しかし、彼の予想に反し世界中から大きな反響があったという。

多くの人達が彼の倹約術と使えるものをクリエイティブに活用する姿勢に称賛の声を送っている。
しかし、フェイスブックやツイッター上では、ブランドン氏が注目されるのはトップ企業の社員であるという「特権」があるからだと指摘する声もある。

実は、サンフランシスコでは高すぎる家賃と住宅不足、そしてホームレスの増加が社会問題になっている。
1月のある報告では、アメリカ政府が定義するホームレス以外で避難所や道路で暮らす人々が7539人いると示されている。
サンフランシスコ市はアメリカ国内で最も家賃の高い都市の1つで、周辺地域の家賃も安いといえるレベルではない。
賃貸物件掲載サイトZumperの1月の報告によれば、同市の1ベッドルームアパートの家賃の中央値は3410ドル(約40万9200円)だ。