鳥のタタキをご存知だろうか。
 下手物認定は必至だが好きな人も多くはないにしても一定数以上いる。
 ササミに至っては刺身というものもある。
 鶏肉は牛肉と違って表面をトリミングしても内部にカンピロバクターが潜在している可能性があるのでリスクは高い。
 つまりトリミングに相当する[あぶり]は無意味と言うことになる。
 しかし私は鶏の生食をやめるつもりはない。なぜなら美味だからだ。
 処理をしていない取れたて生牡蠣を食べる理由に似ている。つまり美味しい。
 国産の鶏肉は、胸肉でもジューシーとか、ハーブの香りがほんのりするとか
地鶏系は旨味があるけど硬いとか。胸肉や腿肉は加熱系料理にしても大したパフォーマンスは発揮しない。
 ところがどうだ。タタキにした途端にブラジル産冷凍チキンでもそこら辺の国産チキンでも旨味が倍以上になる。私が至上とするのは桜姫と他数ブランドの腿に落ち着いている。
 胸肉はパサつかせないようにするのが難しい。スキルがあれば別なんだろうけどね。
 ただ思ったより中を生に保つのが難しく、一旦冷凍して外側をバーナーで炙り、焦げる寸前で止めて中身が溶けるまで待つ。
 これがベストという結果に至った。煙がでるほど熱したオリーブオイルにぶちこんだりしたけどだめだった。串刺しにしてナラの木の焚き火の中でくるくるした時はなかなかよかったけどそれは毎回できない。
 とにかく甘くてコリコリしてて調味料もさほどいらない鶏の生肉は大好きだ。
 外国人が言ってたが、「生卵を克服するのに5年かかったよ、生肉だって? 20年はかかるよhahaha」だって。
 そして鶏を生で食べようなんて素人の変人は居ないので腕の比べようがない。