0138この名無しがすごい!
2019/11/13(水) 18:23:00.73ID:pnYKTpuN使用するお題→『限定スイーツ』『刀』
【忍者、現る!?】(1/2)
夜の9時、レストランの閉店時間になった。
ライアンとレイチェルは後片付けを終わらせ、リビングのソファーで温かいココアでホッと一息つく。
「ねえレイチェル」
「どうしたのライアン?」
「1ヶ月くらいさ、期間限定のスイーツを作って販売しようと考えているんだけどどうかな?」
「すっごく良いアイデアね!私はもちろん賛成よ!」
「君ならそう答えてくれると思ったよ」
「だって大学生の時のクリスマスに作ってくれたチョコレートケーキ、絶品だったもん!」
「アハハ、ありがとう。ロールケーキにしようと考えてるんだ」
「ロールケーキ?いいねいいね!」
翌日、ライアンとレイチェルは早速準備に取りかかる。
期間限定で毎日100個ロールケーキ販売をいざ実施した結果、予想以上に人気を博し長蛇の列ができるほどだった。
並んでいても食べられない人ももちろんいるわけで不満を言われることも少なくなかったが、そんな時はお詫びで無料でバニラアイスを提供するなど対応もしっかりした。
「ふぅ、まさかここまで売れるなんて全然予想してなかったよ」
「もう大成功ね。期間限定とか言わずに一般販売すればいいんじゃない?」
「それも考えておこうかな」
限定ロールケーキの販売を始めて2週間ほどが経ったある日のことだった。
「あれ、ないぞ?どこにもない!」
翌日のために予め用意していたロールケーキ100個分が消えていたのだ。
泥棒かと疑ったが、窓ガラスやドアが破壊された形跡は一切なかった。
「一体、誰の仕業だ?寝る前にちゃんとドアや窓の鍵をかけたか確認したのに…」
「まさか壁をすり抜けて入ったのかも…ということは幽霊か何かかしら?」
念のために警察に捜査してもらったものの、ドアや窓には指紋すら一切ついていなかった。
「よし!こうなったら私が徹夜で見張りをするわ!」
「無理しないでレイチェル。材料さえあればロールケーキはいつだって作り直せるよ」
「大丈夫!ライアンの美味しいロールケーキを盗むなんて絶対に許せないから!」