0363この名無しがすごい!
2019/12/15(日) 19:34:01.84ID:yhtihrgt前スレ959の続きですにゃー
使用お題→『後悔』『戦奴』『空白の100年』『サイダー』『満月の夜』
【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第三話】(1/2)
監獄惑星から脱出した俺は、とある未開の星へと降り立った。
そこでは現地人たち――ネコミミ族とイヌミミ族――の争いが続いており、俺は、ネコミミ族の協力者として、その争いに身を投じることとなった。
「がああああっ! わん! わん! わんわん!」
犬耳のおっさんが拳銃を取り出した。猫耳のおっさんたち目掛けて繰り返し発砲するが、一発も当たる様子がない。
猫耳のおっさんたちは意外と素早く……いや、軽く人間離れしたアクションで銃弾を回避しまくっていた。
「何が『にゃーたちは弱いのですにゃー』だ。あんなの聞いてないぞ」
「そうですかにゃー。でも逃げてばかりでは勝てないのですにゃー」
とは言え、拳銃は弾切れになったようだ。すると犬耳のおっさんは、今度は一機だけ用意されていたロボットに乗り込んだ。
「これを食らうわん!」
ロボットの背中には大砲が装備されていたのだが、その砲身が前へと向けられた。
そして脚部などからワイヤーが射出され、ロボットを地面に固定する。
更にはロボット本体から砲身の側面、その先端まで光のラインが表示され、それが脈動を始める。
「これはなんですかにゃー」
「帝国の新兵器ですかにゃー」
「危ないから離れた方がいいですにゃー」
そう言いつつ、猫耳のおっさんたちは逃げる様子がない。
「おい、『あれは量産型』じゃなかったのか」
「あんなのは初めて見ますのにゃー」
聞いてないぞ。どう見ても、威力の高い攻撃を放つ前振りだ。
「わん! 猫ども! このイヌダーキャノンで、森ごと消し炭にしてやるわん!」
そして数分が経過した。
「今日も曇りですからにゃー」
「あれも太陽光か……」
やがてチャージが完了したのか、砲身のラインが点灯状態になった。
「まずいぞ。発射をやめさせるか、射線をそらさないと」
「よーし、一丁やってやりますかにゃー」
俺とニャンダモは森の中から飛び出した。だが……ニャンダモの動きが遅い!
太陽光で動くニャンダモは、曇天では性能を発揮できないのだ。
落とし穴を掘る分には問題なかったが、今の状況では役立たずもいいところだ。
「わっはっはっはっはーだわん! さらば猫どもだわん!」
「おらあっ!」
俺はロボットの足元へ駆け寄り、パワードスーツの力に任せて、ワイヤーを引っ張った。
するとロボットはバランスを崩し、大砲の砲身が上を向く形となった。
「ななななっ、何をするわん!」