>>329
前スレ959の続きですにゃー

使用お題→『後悔』『戦奴』『空白の100年』『サイダー』『満月の夜』

【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第三話】(1/2)

 監獄惑星から脱出した俺は、とある未開の星へと降り立った。
 そこでは現地人たち――ネコミミ族とイヌミミ族――の争いが続いており、俺は、ネコミミ族の協力者として、その争いに身を投じることとなった。

「がああああっ! わん! わん! わんわん!」

 犬耳のおっさんが拳銃を取り出した。猫耳のおっさんたち目掛けて繰り返し発砲するが、一発も当たる様子がない。
 猫耳のおっさんたちは意外と素早く……いや、軽く人間離れしたアクションで銃弾を回避しまくっていた。

「何が『にゃーたちは弱いのですにゃー』だ。あんなの聞いてないぞ」
「そうですかにゃー。でも逃げてばかりでは勝てないのですにゃー」

 とは言え、拳銃は弾切れになったようだ。すると犬耳のおっさんは、今度は一機だけ用意されていたロボットに乗り込んだ。

「これを食らうわん!」

 ロボットの背中には大砲が装備されていたのだが、その砲身が前へと向けられた。
 そして脚部などからワイヤーが射出され、ロボットを地面に固定する。
 更にはロボット本体から砲身の側面、その先端まで光のラインが表示され、それが脈動を始める。

「これはなんですかにゃー」
「帝国の新兵器ですかにゃー」
「危ないから離れた方がいいですにゃー」

 そう言いつつ、猫耳のおっさんたちは逃げる様子がない。

「おい、『あれは量産型』じゃなかったのか」
「あんなのは初めて見ますのにゃー」

 聞いてないぞ。どう見ても、威力の高い攻撃を放つ前振りだ。

「わん! 猫ども! このイヌダーキャノンで、森ごと消し炭にしてやるわん!」

 そして数分が経過した。

「今日も曇りですからにゃー」
「あれも太陽光か……」

 やがてチャージが完了したのか、砲身のラインが点灯状態になった。

「まずいぞ。発射をやめさせるか、射線をそらさないと」
「よーし、一丁やってやりますかにゃー」

 俺とニャンダモは森の中から飛び出した。だが……ニャンダモの動きが遅い!
 太陽光で動くニャンダモは、曇天では性能を発揮できないのだ。
 落とし穴を掘る分には問題なかったが、今の状況では役立たずもいいところだ。

「わっはっはっはっはーだわん! さらば猫どもだわん!」
「おらあっ!」

 俺はロボットの足元へ駆け寄り、パワードスーツの力に任せて、ワイヤーを引っ張った。
 するとロボットはバランスを崩し、大砲の砲身が上を向く形となった。

「ななななっ、何をするわん!」