>>375
使用するお題→ジャンル『コメディー』+『決意』『世界征服』『アイスクリーム』

【脅威の冷気!アイスクリームガール!】(1/3)

夏休みの真っ只中、ナツミは白いワンピースにつばの広い麦わら帽子を身につけ、街中を散歩していた。
もちろん魔法少女に変身するペンダントも一緒にだ。いつどこでモンスターが襲撃しに現れるか分からない。

「それにしても暑いなあ。嫌になっちゃう…!」

公園のベンチに座り、麦わら帽子を団扇代わりに扇ぐ。そんな彼女の近くを、アイスクリームを持った少年が横切っていく。
その少年は躓いて転倒し、持っていたアイスは地面に落ちて台無しになってしまった。
ナツミは急いで少年の方に駆け寄った。

「大丈夫?ケガはない?」
「う、うん…でもアイスが…」

ナツミはバッグからティッシュを取り出し、地面に落ちてグチャグチャになったアイスを包むとゴミ箱に捨てる。
そして財布から300円ほど出して、少年に手渡す。

「これでまた新しいアイスを買うといいわ。今度は転んで落とさないように気をつけてね」
「あ、ありがとうお姉さん!」

嬉しそうに走り去る少年にナツミはバイバイと優しく手を振る。
その後、近くの喫茶店でイチゴパフェとアイスココアを楽しむ。

「ここのイチゴパフェ、すっごく美味しいのよね〜!」

スプーンに乗せたイチゴを口へ運ぼうとしたその時だった。外からワー!キャー!と人々の悲鳴が聞こえてきた。

「ま、まさかモンスター出現!?」

急いで喫茶店を飛び出すと、ピンクや白に水色、黄色とカラフルな体をした女が暴れている。
サイズは今までのモンスターと全然違って常人サイズで、見た感じ自分と同じくらいの身長だ。
しかしモンスターであることに変わりはない。すぐに魔法少女に変身する。

「現れたわね!邪悪なモンスターめ!」
「私はICG(Ice Cream Girlの略称です)。この世界を氷漬けにしてやる!」

どうやら強力な冷凍攻撃で世界征服を企んでいるようだ。
ICGと名乗るそのモンスターは口から氷の息を吐き、ありとあらゆる物を凍らせていく。
それを避け、ナツミは思いきり得意のキックをお見舞いし、体を粉々に粉砕する。
しかし、そのアイスクリームの体はすぐに再生されてしまった。

「やっぱり一筋縄ではいかないわよね!」
「私を甘く見ない方が身のためよ。アイスだけにね」