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お題:『平面』『クローゼット』『レジェンド』『クリスマス』『手入れ』

【XXXXXmas】


 12月25日と言うのは、言わずと知れたクリスマスである。仲の良い家族が、親しい友人達が、そして恋人達がそれを祝い、思い出を作る日であろう。
 だが、それを外れた……いや、際のすれすれアウトをひた走る者達も確かに存在している。
 これは、そんな最下層民(ボトムズ)達の物語である。

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「じんぐるべーじんぐるべーすっずがなぁる〜」

 独り厳かにクリスマスを祝う……中年。しかし、彼がそれを突っ込まれれば「違う!!」と即座に否定されるだろう。

 何故なら……

 彼の前にはデスクトップPCが置かれ、そこには彼の2次元嫁が微笑んでいるのだから。

「へへ、チキン良〜し! ケーキ良〜し!!」

 ニヨニヨと笑みを浮かべながらコンビニチキンとケーキを一人二役で、『エアあ〜ん』しつつ食べて行く。
 不気味と言う事なかれ、彼の目には確かに嫁とのスウィ〜トな時間が流れているのだから。

「今日は、二人の初めてのクリスマスだね」
『うん、わたし、ちょっと緊張してるかも?』
「フフ、緊張なんてしなくても良いよ。ここには僕と君の二人しかいないんだからさ」
『……でも、良いの? わたしで』
「どういうことだい?」
『だって、貴方ったら、モテモテなんですもの……』
「何を言っているんだい? 僕の嫁は今、君だけさ」
『!! 嬉しい!!』
「さあ、二人だけの特別な夜だ!! ……良いだろう?」
『うん!』

 話がまとまったらしい男はクローゼットを解き放つ。そこには1/1スケールの嫁の姿が。
 流石にこれから過ごす夜の為には平面嫁では都合が悪かったらしい。
 この時の為に朝から手入れをしていた1/1スケール嫁をベッドに降ろす。

「さあ、これからは大人の時間だ」
『はい、私の全てを受け取ってください!!』
「フフ、可愛いヤツだ」

 そしてこの夜、彼は確かにレジェンドとなった。