>>37
使用するお題→『ジャム』『夜空』『ダウンジャケット』
※前スレ>>764【嗚呼、我が愛しい弟よ】を先に読んでおくことをオススメします

【遠い帰り道】(1/3)

ある日曜の午後のこと、カナミとケンスケは商店街へと向かっていた。
特に何もする事もなく暇だったので、母からお使いを頼まれたのだ。

「お姉ちゃん、せっかく商店街に行くんだから本屋とかにも寄ろうよ」
「そうね、でも先にちゃんと買い物済ませなきゃお母さんに怒られるわ」

スーパーマーケットに入ると、2人は母から手渡されたリストを確認する。

「えっと買う物は牛乳にブルーベリージャム、それから食パンっと…」
「僕はジャムを探しに行ってくるよ」
「任せたわよケンスケ」

カナミは飲み物コーナーから牛乳パック、パンのコーナーから食パン一袋分をカゴに入れていく。
するとケンスケがジャムを持って戻ってきたが、彼が持っていたのはイチゴジャムだった。

「ケンスケ、買うジャムはイチゴじゃなくてブルーベリーよ?」
「ブルーベリー探したんだけど無かったんだ。一応お店の人にも聞いたんだけど既に品切れだって」
「仕方ないから代わりにイチゴのを買っておくことにしましょ」
「それもそうだね。お母さん、別に怒ったりしないだろうし」

会計を済ませ、手持ちの手提げバッグに荷物を入れて店を出る。

「お姉ちゃん、買い物も終わったことだし本屋に行こうよ!」
「そうね、まだ時間もあるし」

近くの本屋に入ると、カナミとケンスケは一緒にコミック雑誌を立ち読みして楽しむ。

「うわあ、もうここまで話進んでたんだね。もうラスボスじゃないか」
「ということはもう最終回も近いのかも」
「欲しいけど今お金ないしなあ」
「また今度来た時に買いましょ」

しかし漫画に夢中になっていた2人は時間がかなり経っていることに気付かず、
外に出てみるともう薄暗く、太陽が沈みかけていた。