0060この名無しがすごい!
2019/11/06(水) 16:38:19.64ID:7k+UFe8x冬が近いため、風も冷たくなりピューピューと吹きつけてくる。
「さ、寒い…昼間は割と暖かかったのに…これだったらダウンジャケット着てくればよかった」
「そ、そうだね…今に雪でも降ってきそうなくらい…」
家への道のりが段々と遠のいてくように感じ、2人の足取りは次第に重くなっていく。
その途中、カナミがバタンと倒れてしまう。
「お姉ちゃん!しっかりして!家までもうそう遠くはないはずだよ!」
「ケンスケ、私もうダメかも…ケンスケだけでもいいから家に無事に帰って…」
「冗談はやめてよ!諦めないで!」
「私はケンスケさえ大丈夫ならそれでいいの…」
すると近くから良い香りがしてきた。それはハンバーグの香りだった。
「こ、この香りはきっとハンバーグ!確か今日のご飯はハンバーグってお母さんが言ってた!」
そのハンバーグの香りでカナミはピョイッと飛び起きる。よく見るともう自宅の数メートル手前まで来ていたのだ。
「お姉ちゃん、家はもう目の前だよ」
「こ、ここまで来ていたのねアハハ…」
何とか無事に家に戻ってこれた2人。なんとか6時までに帰ってこれたため両親から咎められることは無かったが、
なるべく暗くならない内に早めに帰ってくるように注意されたのだった。
美味しい母の手作りハンバーグを楽しんだ後、お風呂を済ませ、パジャマに着替えたカナミとケンスケはベランダに出る。
「見てよお姉ちゃん。今日の夜空はすっごく綺麗だね!」
「冬が来たらもっと綺麗かも。あっ流れ星!」
「えっ!?どこどこ!?」
「ウフフ冗談よ!」
「もう!お姉ちゃんのイジワル!!」
そして2人は部屋に戻るとベッドに入り、スヤスヤと眠りに落ちるのだった。