>>779
使用するお題→『おでん』『スクラップ』『美術部』『777』『ドリル』

【最悪最強!?猛攻のスロットモンスター】(1/3)

部活を終えた後の帰り道、ナツミは近くのコンビニに立ち寄って、おでんを買っていた。

「おでん!おでん!」

大根、ちくわ、玉子と定番のメニューを容器に次々と入れていく。
コンビニを出ると近くの公園のベンチに座り、中のつゆが溢れてしまわないようフタをゆっくりと開ける。

「うーん良い匂い!寒い冬にはおでんが欠かせないよね!それじゃあ、いっただきまーす…」

割り箸で玉子を掴んだその時だった。どこからともなくボールが飛んできて、おでんの入った容器に直撃する。
その勢いでナツミの顔や髪、ブレザーはつゆでビチョビチョだ。大根やちくわといった具は地面に落ちてしまい、もう台無しだ。

「お姉さん、ごめーん!大丈夫ー?」

近くで遊んでいた子供達がサッカーで遊んでいて、そのボールがこっちに飛んできたようだ。

「だ、大丈夫よ…気にしないで」

ハンカチで顔や髪を拭きながら、ナツミは笑顔で答えるものの内心は怒り心頭だ。

「(このクソガキ共…!あっ、怒っちゃダメ…冷静に、平常心でいるのよナツミ…!)」

地面に落ちた具を拾うと容器に入れてそのままゴミ箱に捨てると、ナツミは公園を後にする。

「せっかく買ったおでん、無駄になっちゃった…」

落胆しながら家路についていると、クラスメートで美術部に所属している宮田クミと会った。

「あっ佐久間さんじゃない。どうしたの?」
「み、宮田さん。あのね…」

さっきあった出来事を全てクミに話す。

「それは災難ね、でも子供達がワイワイ遊ぶ公園で食べるのもねぇ」
「宮田さんもそう思う?そ、そうよねアハハ…」
「私は早く描かないといけない絵があるからもう帰るね。じゃあまた明日ね!」
「う、うん。バイバイ」

家に帰るとナツミはすぐに風呂に入り、つゆで濡れてベタベタになった髪や体を綺麗に洗う。
そんな彼女の姿を物陰から誰かが眺め、ニヤニヤしながら呟いている。

「魔法少女のナツミ、おでんが食べられなかったくらいであんだけ落ち込むのか。ニヒヒ、いいこと思いついた!」

ナツミはパジャマに着替えてベッドに寝転び漫画を読むが、なかなか気が晴れない。

「もう!私の至福のおでんタイム台無しにされてムカつくーッ!!」

すると、魔法少女になれるペンダントを見つめ何かを思いつく。

「ストレス解消に魔法少女に変身して、思いきり暴れてやろうかしら…」

しかし、その興奮をすぐに自制し、ナツミは平常心を取り戻す。