>>779
にゃーの無意識が>>363の続きを望んでいるのですにゃー

使用お題→『おでん』『スクラップ』『美術部』『777』『ドリル』

【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第四話】(1/3)

 森の外でイヌミミ族を撃退した俺たち。つかの間の勝利に酔いしれるも、翌日には、次の戦いのための準備を始めていた。

「思った通り、昨日のままですにゃー」

 現場には、敵のロボットや工事車両がそのまま残されていた。

「意外といい加減なやつらだな」
「イヌミミ族は、命令に従うのは得意なのですが、想定外には弱いのですにゃー」

 村長の指示で、俺とニャンダモ、おっさんたちは、現場の片付けを始めた。

「サン、サン、サン、サン、サンライズですにゃー」
「真面目にやれよ」
「今日も曇りですからにゃー」

 働いているのは、主に俺とニャンダモだ。おっさんたちは役立たず……ではない。ではないが、どうやらネコミミ族というものは力仕事が得意ではないようで、あまり頼りにならなかった。

「サン、サン、サン、サン、サンライズ、にゃー」
「サン、サン、サン、サン、サンライズー……あっ」
「晴れてきましたにゃー」

 おっさんたちの踊りの効果ではないだろうが、灰色の雲が薄くなって、その切れ間から青空がのぞいた。

「太陽が出てますにゃー」
「出てはいませんが、明るくなりましたにゃー」

 ニャンダモの動きが目に見えて良くなった。おっさんたちの動きは大して良くならなかったが、士気は大いに上がった。
 俺たちは大急ぎで作業を進めた。敵の機械を回収し、暗くなる前に落とし穴の修復まで終わらせると、俺たちは全員で村に戻った。

 *

 翌朝は雨だった。しとしとと降る雨を眺めていると、村長が俺を呼びにきた。

「こんな天気ですが、お見せするものがありますのにゃー」

 俺は村長に連れられて、村の外に出た。わだちが続く泥道を歩くこと数分、やがて、森の中に、大きく口を開けた洞窟が現れた。
 洞窟の中は暗かったが、床面は広く平らに加工されていた。俺たちは奥へと進む。いよいよ外光が届かない深さになると、電灯の明かりが俺たちを照らした。
 一番奥まで進むと、そこは開けた空間になっており、一種異様な、洞窟の外とは別の世界が広がっていた。

「これは……」

 広場の半分は掘り込まれて、何かの液体で満たされていた。そこに、丸やら三角やら四角やら、機械の部品らしきものが浮かんでいる。

「ここがにゃーたちのニャンダモ整備工場ですにゃー」

 残りの空間には、がらくたのようなものが積まれていた。その手前には、昨日運び出した敵の車両が並んでいる。クレーンのような機械も見える。

「学士様はどこですかにゃー」

 俺がこの施設に半ば感心し、半ばあきれている隣で、村長は誰かを探している様子だった。

「おやー? どうしましたかにゃー」
「あっ、学士様」