>>865
使用するお題→『蜂蜜』『メール』『広告』

【また会いたいな】(1/2)
※レイチェルシリーズ無印編(スレ5>>843【気分はいつでも西部劇】〜スレ6>>605【再会、そして新たな道へ】)を一通り読んでおくことをオススメします

ある日の朝、一人の少女がイグアナを連れて公園の中を散歩していた。
その少女の名はアニー、そしてイグアナはトニーで彼女の愛するペットだ。
ベンチに座ると手に持っている紙袋から何かを取り出す。それは近くのパン屋で買った蜂蜜トーストだった。

「あそこのパン屋の蜂蜜トーストはすっごく美味しい。ほらトニーもどうぞ」

トーストを少しちぎってトニーに与える。トニーもそれが大好物のようで美味しそうにムシャムシャ食べる。

「レイチェルさんがいなくなってから、やっぱり寂しいなあ…」

レイチェルは半年ほど前、大学生の時のボーイフレンドであるライアンと再会し結婚、そしてシチリアへ旅立ったため、彼女はもうこの街にはいない。
レイチェルがライアンと結婚して、彼とシチリアで楽しく生活していることを考えるとすごく嬉しいけど、やはり恋しくなってくる。

「レイチェルさんと遊んだりした日々、すごく楽しかったなあ」

トニーもアニーの言うことを理解しているようで、彼女がレイチェルのことを話す度にコクリと頷く。
やはり一番思い出に残っているのが、ナタリーに捕まって絶体絶命のレイチェルを救い出したことだ。

「トニーは大ピンチのレイチェルを救って本当に偉い子ね。それに無くした拍車も見つけ出したんだし」

アニーはトニーの頭を優しく撫でる。トニーもハァハァと舌を出して嬉しそうだ。

「あっアニーじゃない!」
「バーバラ?久しぶりね!」

アニーの目の前に現れたのはバーバラだった。かつて仕事で忙しい両親の代わりに、
ベビーシッターとして来てくれたレイチェルにお世話してもらったことのある少女だ。
アニーとバーバラはお互いレイチェルを通じて仲良くなった関係だ。

「レイチェルさん、もういないんだよね。レイチェルさんの結婚式に参加したかったけど、都合が悪くて行けなくて残念…」
「うん、でもライアンさんと結婚した時のレイチェルさん、すっごく幸せそうで本当良かったよ」
「レイチェルさん、明るくて優しくて楽しい人だったよね」
「初めてレイチェルさんを見た時は変な人だなあ、とは思ったけど同時に面白そうって印象も強かったわ」
「やっぱりあのガンマン衣装が素敵よね」
「うんうん!」

それからレイチェルのことについて、ひたすら楽しくおしゃべりをする。

「あのレイチェルさんの帽子を奪った男の子、今頃どうしてるんだろうね?」
「さあ、今も少年院でシバかれてるんじゃないの?」
「それからレイチェルさんをしばらく見かけない時期もあったよね」
「そうそう、急にいなくなるからビックリしちゃった。でも、ただどこかに出かけてただけで安心したわ」
「あっ!バーバラちゃんに見せたい物があるんだ」
「見せたい物って?」