0908この名無しがすごい!
2020/03/20(金) 22:23:15.88ID:kXFR3O5a使用するお題→『蜂蜜』『メール』『広告』『中の人』
【保安官も楽じゃない】(1/3)
今日もさすらいの女ガンマン・シンディは彼女の愛馬サンセットに跨り、広大な荒野の中を颯爽と駆け抜けていた。
「あっ、そういえば!止まってサンセット!」
シンディはふと何かを思い出し、腰にホルスターと一緒に付けている黒い袋を取り出す。
その袋にはお金が入っているのだが、中はスッカラカンで一文無し状態だった。
「どうしよう、お金が全然無い。参ったわね…」
シンディはさすらいの旅を続ける一方で、賞金稼ぎとして高値がつけられた賞金首を捕まえて荒稼ぎしていた。
これまでに賞金首を20人以上捕まえて得た大金も既に底を突いていた。
「これじゃあ私とサンセットの食糧が買えない。誰でもいいから急いで賞金首を見つけて金を作らなくちゃ」
シンディは仕方なくあらゆる町や村を渡って、指名手配のチラシや広告が無いか確かめるも都合良く見つかるはずがなかった。
必死に探しているうちにすっかり日が暮れ、夜になっていた。シンディのお腹がグゥーッと音を立てる。サンセットも空腹なのか不機嫌そうだ。
すると目の前に小さな森が見えてきた。森の中なら何かしら果物でもありそうだ、シンディはそう考える。
「サンセット、何か食べれそうな物見つけてくるからここで待ってて。なるべく早めに戻ってくるから」
シンディはサンセットから降りると、森の中に入っていった。しかし既に夜で真っ暗なため、周りがよく見えない。
その時だった。シンディは足を滑らせ、急斜面を真っ逆さまに転げ落ちていった。
「ウワアアアアアアッ!!!」
シャツやコート、ジーンズは破け、腕や足を酷く擦り剥いて出血してしまっている。
「い、痛タタ…」
そのままシンディは気を失ってしまった。
・・・・・・・・・・
「う、うーん…って、ここどこ!?」
目が覚めるといつの間にかベッドの上にいることに気付く。擦り剥いた腕や足には、きちんと包帯が巻かれて手当てされている。
「あっ気がついたようだね!お姉さん、大丈夫?」
「あ、あなたは?」
「僕はケビン。お姉さん、傷だらけで倒れているの見てビックリしたよ」
ケビンと名乗るその青年が見つけ、自分を手当てしてくれたのだ。
「あ、ありがとう。でも行かなくちゃ、サンセットを待たせているの」
「お姉さん、もしかしてシンディさんだよね?」
「ど、どうして私の名前知ってるの?」
「だってよく新聞に載ってるんだもん!」
今いる部屋の中を見渡すと、自分の姿が描かれた新聞の広告が壁にたくさん貼られているのに気付く。
「無法者達を倒して、さすらいの旅をしてるんだよね。僕、あなたの大ファンなんだ!」
「私、新聞に載せられるほど有名だったのね。全然知らなかった…」
すると一人の髭を生やした小柄な男が入ってきた。