自分は子供の頃から天才と言われたピアニスト
でも音大の教授に何かが足りないと言われた
自分でも薄々感づいていたその何かを探しているとき
都庁のピアノを生き生きと弾く人達を見て嫉妬した
遠巻きに何度も見た
技術的には自分よりも下なのだけれど
生命力を感じる
私があそこに座って観光客の注目を浴びたらどうなるんだろう
ギターを弾くストリートミュージシャンにも同じ事を感じた事がある
児戯にも等しい素人なのに嫉妬を感じた
彼らは野性動物なんだ
だからこそ美しい
ストリートでピアノは無理だ
でも都庁にはその環境がある
自分も都庁で弾いてみたい
でも勇気がでない
自分は彼らほど愛される自信がない
そんな時、主人公はある人と出会った