昭和20年9月21日、清太は省線三ノ宮駅構内で14歳の若さで衰弱死した。
清太の所持品は錆びたドロップ缶。その中にはわずか4歳で衰弱死した妹節子の小さな骨片が入っていた。
駅員がドロップ缶を見つけ、無造作に草むらへ放り投げていった。
地面に落ちた缶からこぼれ落ちた遺骨のまわりに蛍がひとしきり飛び交い、やがて静まる。

これで泣けない奴は、人でなしだ。