おれはエクスカリバーを拾った事がある
旧友が拾ってきたものなんだけどな、そりゃあ太くて頑丈なものだったよ
基本的に所有権はあいつのものだったんだが、あいつはずいぶん気のいいところがあって、貸してくれというと特に嫌な顔もせずに貸してくれた
その聖剣を振り回してやんちゃをしたもんだ
あいつよりもおれの方がうまく使いこなせたから、あいつがイジメられてる時はそれで思い切り成敗してやった
手からすっぽ抜けて雷親父の雨戸に刺さった事もあったな
そん時はずいぶん怒られたけど今では良い思い出だよ
ある時、あいつは病気になった
まあ、おれとは生きる時間が違うやつだから、当たり前といえば当たり前
おれはというと、エクスカリバーで遊ぶことも無くなるくらい忙しい生活を送っていたし、引っ越して少し遠くにいた
だけど、あいつがやばいって聞いてすっ飛んで会いに行ったよ
おれが行くと、寝たきりになってたあいつがよたよたと立ち上がったんだ
別に元気になったわけじゃないのは一目でわかった
そして、懐かしのエクスカリバーをおれんとこへ持ってきて、満足そうにまた眠ったんだ

そうして、おれはエクスカリバーを庭の桜の下に封印することにした
聖犬、ここに眠るってな