文学における唯一の外界である言葉、すなわち作家にとっての唯一の外延である方法論に主体が脅かされ、さらに主体による方法論への抵抗、つまり主体と方法論の対決により文学は生まれる。
主体が危機に脅かさることも脅かすこともなく、また主体の方法論への抵抗が挫折したところからは無思想の、似非の文学しか生まれない。
松岡正剛の千夜千冊、テスト氏の冒頭に「おそらく21世紀は「方法の世紀」となるだろう」と書かれていることに私も同意する。