>>21
「脈が無い……もう死んでますよこの爺さん」
「間に合わなかったか……デモ隊め、救急車の往来をも邪魔しおって」
「でも、この爺さん。なんだか幸せそうですね……さっきまでの苦しみに満ちた様な顔じゃなくて」
「きっと、走馬灯みたいな、過去のいい思い出でも見たんだろうさ」


ああ、転生なんて夢だったんだ
あんな、死に纏わりつかれた人生なんてあり得る筈がない
目が醒めれば、俺は日本の見慣れた自宅の布団の中に居るんだ

「わかさま、おめざめくださいませ」