ボロカス言われてエルフ不人気やんけ


 突如対岸に杖を構えたエルフが現れた。
 見た目40台のオバサンなので相当年を食ったエルフと見たが、
先程までいなかった場所に突然現れたことに驚き反応が遅れた。
            <中略>
 恐る恐るガードする腕を下ろすと俺の視界にニヤニヤと笑う
オバサンエルフが映る。
 なるほど、どうやら死にたいようだ。
 冗談で済ませられるのは子供と美人だけである。
「――!」
 オバサンが叫ぶが当然お前は対象外。
            <中略>
(だが忘れるな。お前はただのクソババアだ)
 もしもこいつが美人で色っぽいちょっと私生活がだらしなくて
見えてはいけないアレやコレやが見えてしまう残念系で、色々と
命令をしてくるものの俺が仕掛ける悪戯を自分のミスと思い込み
「やっちゃった」と乱れた衣服でワガママボディを毎日見せつけて
くれるのであれば、長い付き合いにもなっただろう。
 いや、そこに「研究者っぽく俺の体を調べるついでに胸を
押し付けまくってくる」を加えおこう。
「肝心なことを忘れるところだった」と安堵を息を心の中で
漏らしたところで、俺の思考は現実へ戻る。
 非常に残念なことに俺に支配の魔法を使ったのは
このババア――現実は非情である。