悪魔とハンバーグ

 僕はごく普通の高校生。今日も特に何事もなく授業が終わった。
 放課後、寄り道せずに家に帰るとキッチンには不思議な本があった。
 タイトルを読むと「悪魔とハンバーグ」と書いてある。
 不審に思って本を広げてみると、ドロンと音がしてもうもうと煙が立った。
 すると煙のなかからピンクのエプロンを着けた悪魔が腕を組んで現れた。
 そして悪魔はなぜか偉そうな態度で食べたいご飯を言え!と強要してくる。
 そこで僕は「ははぁ、さては何か理由があってハンバーグを僕に食べさせたいんだな?」と勘づく。
 僕は意地悪をしてやろうと悪魔に言ってやった。
「絶対にハンバーグだけは注文しない」と。
 すると悪魔は急に泣きべそをかいて「ハンバーグしか作れません。人間に料理を作らないと、魔王様に叱られてしまいます」といった。
 僕は可愛そうになったので、しょうがなくハンバーグを注文した。
 悪魔が作ったハンバーグはとてもおいしかった。
「ところでこのハンバーグの材料はなぁに?」
「君のお母さんだよ」