ギレーヌはどこだ?
と、辺りを見回すと、
 先程は気付かなかったが、焚き火の向こうに人影があった。
「………!?」
 ギレーヌではないと、瞬時に悟る。
 彼は、そう、男だ。
 彼は俺を観察するように、微動だにせず、じっと見ていた。
警戒している感じではない。

 むしろ、何かにこう。なんだっけな。
 そうだ。
 猫に恐る恐る近づく時の姉貴みたいな感じだ。
 こちらが子供だから、怯えられないか心配なのだろうか。
なら、敵意はなさそうだ。

 ほっとした瞬間、俺は男の風貌に気付いた。
銀髪、金色の瞳、特に防具はなく、何かの皮で作られた無骨な白いコートを身に着けていた。
俺の印象としては、せいぜい「目つきの悪い奴だな」という程度だ。
 酷い三白眼だったのだ、この男は。