3.キャラに思い入れが募らない
 『魔王の仮面』では仲間になったキャラが激闘の末に戦死していく展開が多かったね。魔王城の地下で体張って敵の進軍食い止めた人とか。
 うまくいったら「ああ、あのキャラが死んでしまうなんて、悲しい!」というところだろうけど、そもそもキャラへの愛着が育まれていないので「あーあ」としか思わん。
 本来ならそこに至るまでにキャラごとのエピソードを挟んだりセリフの端々に気の利いた一言を混ぜ込んで、そのキャラの個性を確立させるものなんだけど、『魔王の仮面』では四天王のひとりの熊魔族、くらいしか紹介されていないので読者がそのキャラを気に入るシーンが無い。というかビジュアルすら想像つかん。
 おかげでどの登場人物も替えが利く、別にこのキャラでやる必要性もなく、脚本に従って無理矢理動かされているように感じる。

4.登場人物が現代の感覚を持っており不自然
 せっかく古代のシベリアが舞台なのに、洗濯機だのラジオだの発想が現代の日本人。
 おまけに主人公も10歳の少年なのに保険とか裁判所とか、発想が完全に大人のそれだし異様に理解力も高い。
 幼馴染の少女も10歳でバイオマスとか言ってたし、発想がぶっとびすぎてる。
 おいおい、シベリアらしさを期待したのに……て違和感が大きすぎて読んでいるとバカバカしくなってくる。