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ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【238】

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0001ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE (ワッチョイ 322f-9Hqw)
垢版 |
2022/10/22(土) 07:04:58.34ID:kuFxbrL00
オリジナルの文章を随時募集中!

点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!

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前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【237】
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0059この名無しがすごい! (ワッチョイ fd02-Y/ct)
垢版 |
2022/10/23(日) 11:28:21.54ID:3SKOkYSG0
 昨年まで私はごく普通の高校生だった。確かに少し性格的にひねくれていることは認めよう。だがそれでもごく普通の県立高校に通い、成績は中位、スポーツはそこまで得意ではなかったが、持ち前のルックスを利用して学園生活を謳歌していた。
 部活動にもきちんと所属していて、現代視覚研究会という表向きの名目とは裏腹に、造形美の神秘を解き明かすという野心的な研究を行う部活に籍を置いていた。私は意欲的に活動し、3年になるころには部長という役職にまで昇りつめるほどだった。
 もちろん品行方正な生活態度は教員並びにクラスのみなからも信頼を受け、私はクラスで図書委員という大役をまかされてもいた。
 しかし! しかし、だ。
私は大学受験に失敗した。私は別に高望みして学力に見合わない大学を選択していたわけではない。なんなら定員割れしていた。当然解答用紙に私の名前を書き記していることも再三、再四、確認したので間違いない。
にもかかわらず合格発表の場に私の受験番号はなく、私はその大学に採点結果の開示を求めたが、私の訴えなどまるで取り合わず追い払われる始末だった。
当時、滑り止めすら受けていなかった私は暗澹たる未来に絶望した。この学歴こそが幅を利かせる日本社会で高卒の肩身は狭い。肉体労働など私には決して向いていないことは生みの親以上に知っている。
0060この名無しがすごい! (ワッチョイ fd02-Y/ct)
垢版 |
2022/10/23(日) 11:30:13.24ID:3SKOkYSG0
いまからでも芸能事務所に履歴書を送りつけるべきか。確かに私のルックスをもってすればそういった界隈に身を置くのも容易いだろう。だが、私は芸能界での活躍よりも学園生活をエンジョイしたかったのだ。美しき女学生とキャッキャウフフな青春活劇をテレビの向こうで演じたいのではなく、実体験として味わいたかったのだ。
 ショックのあまり家に帰ることもできず、本屋でただひたすらにタウンページを眺めていたときのことだ。私のクラス担任の似非山田(えせやまだ)が声をかけてきた。
 就職情報が気になるなら、タウンページじゃなくてタウンワークを読むべきだと当然のことを私に指摘した。私は就職情報などには一切興味なく、ただ純粋にタウン情報を閲覧していたのだ。断じて仕事探しにタウンページを使ったわけではない。芸能事務所が近くにないかな、と眺めていただけだった。
 似非山田は私が大学入試に失敗したことを知り、近辺を探し回っていたのだそうだ。私は迂闊にもそんな人情味あふれる教諭の心意気に感動した。いまならば似非山田の加齢臭漂う胸元で落涙するのもやぶさかでないほど心が弱っていた。
似非山田は私をいったん近くのカフェに連れ込んだ。絶望と悔しさに目じりを濡らす私にパンケーキと紅茶を注文し、私の肩をたたいた。
うんうん、なにもかもわかっている、これが大人の包容力だとでも言わんばかりに慈愛に満ちた四角い顔で私を慰め、そしてタブレット端末を私に差し出した。
0061この名無しがすごい! (ワッチョイ fd02-Y/ct)
垢版 |
2022/10/23(日) 11:32:20.23ID:3SKOkYSG0
 そこには『首都東京から船で二十キロ、『四島劣等列島』へようこそ』と記された私立学園が紹介され、美しき女学生やイケメンの笑顔の写真とともに自由で開放的な〈全寮制〉学園生活とキャッチコピーがあった。『劣等』というのは誤字なのだろう、射線が引いてあった。
私は非常に心惹かれた。しかし、時期は2月に差し掛かっている。今更入学などできるものだろうか。しかしなんと似非山田は滑り止めすら受験していない私を心配して事前にこの私立大学に推薦してくれていたというのだ。なんという先見の明だ。私は似非山田の手を取り感謝した。
しかし、推薦入試とは小論文や面接などそれなりに手順を踏むはずだが、私はそのようなものを経験した記憶はない。似非山田いわく、小論文は冬休みの課題作文を提出し、それ以外には内申書と面接のみで入学の可否を判断するらしかった。
面接、といわれてピンとこない私に、似非山田は自身と面接官とのツーショット写真を見せてくれた。似非山田のむさくるしい笑顔と並んだ若い巨乳の淑女に私は見覚えがあった。
0062この名無しがすごい! (ワッチョイ fd02-Y/ct)
垢版 |
2022/10/23(日) 11:35:15.64ID:3SKOkYSG0
 ある冬の日、学校帰りだったと記憶する。写真の淑女が帰宅途中の私を呼び止めた。体のラインを強調するスーツに身を包んだ女性の胸のサイズがDカップであると容易に推察できたのは、現代視覚研究会での日々の研鑽のたまものだろう。
――――――翼が欲しくはないか?
 彼女の怪しげな問いに、私は『舐めるなよ。翼などすでに生えている』と答えてその場を立ち去った。胸の大きさで若人の道を踏み外させる新手の新興宗教の勧誘だと思っていた。だがそれこそが面接で、私が見事面接試験に合格していたのだと似非山田は語った。
 正直に言おう。私は貧乳派だ。胸の大きさで釣られるほどチチに幻想を抱いていない。私が魅力に惹かれたのは、その学園だった。断じて面接官のチチに誘惑されたわけではない。私はこの手に納まらないものを高望みするほど愚かではない。
 似非山田はタブレットを操作して誓約書のフォーマットを表示し、タッチペンとともに私に差し出した。最後に私の署名をすれば手続きはすべて完了するという。すでにペーパーレスで判子レスな社会がここまで浸透していようとは、内閣のデジタル庁の仕事の速さには舌を巻く。流石は内閣府官僚、エリートの集いである。
0063この名無しがすごい! (ワッチョイ fd02-Y/ct)
垢版 |
2022/10/23(日) 11:37:30.56ID:3SKOkYSG0
 私は意気揚々とペンを手に取ったが、いざ書面に向かうと急に『離島での学園生活』ということに一抹の不安を感じた。なにより父母の許可を得ずに私の独断で進学先を決定していいのだろうか。私立ということは学費も公立と比べてかかるだろう。
 その点を似非山田に相談すると、なんと既に両親の承諾は得ているというのだ。その証拠に似非山田は私の母親とのツーショット写真を見せた。母の指は丸を描いている。
 私は似非山田の手腕に驚嘆した。なんという手際の良さだろう。つい数時間前に合否が出たというのに。あまりうだつの上がらない中年教諭と甘く見ていたことを内心恥じた。
 私は誓約書の内容に目を通そうと思ったが、あまりの字の小ささと文量に辟易していると、似非山田は高校入学のための書類だから気にするな、と読み飛ばすよう促した。
 私は確かにその通りだと似非山田を信じるがままに最後の署名欄にサインすると、似非山田はすぐさまタブレット端末を奪い取って内容を確認して頷く。そしてワイファイで送信し終わったところに、ちょうどパンケーキと紅茶、コーヒーが運ばれてきた。まるで図ったかのような見事なタイミングだった。
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